研文選書【90】~【119】
堀 誠著
折々に出会った題材-植物・動物、料理・言語・俗信・行事、史伝や小説の人物-を調べ、掘り下げ、まとめあげた文章、また中国を旅し、北京に暮らした折の記録的あるいは思い出的な小篇を収載する。
〈目次〉
流謫の花
石祟と即席佳饌
相如の渇き
女乞丐の物語―祥林嫂・周長寿・金玉奴と社会
乞丐の物語―孝義・吹簫・蓮花落
河童の沙悟浄
『水滸伝』点描
魯迅『故郷』点描
楊脩と曹操―中国謎語雑抄
不在の友―「呂安題鳳」故事考
中国俗信考-俗信四種と言語表現
宮廷の歳時習俗
打夜胡
神鵲鳴冤
中国の民俗 八題
鰻/叩頭/乞食/五道神/財神/蹴鞠/蝗/門神
中国の狐たち―『狐媚叢談』「説狐」を中心に
中国の史話 六題
人質の恨み/ドクロの盃/鄭国渠/鳥になりたい/李陵と蘇武/魏の遼東・高句麗征伐
覇王の最後―歴史と文学
北京追想 六題
北京游記/「西遊記宮」見聞記/勺園の三輪車/北京余話/一枚の修了証/胡弓の音色
「訪中」旧記 二題
開封の旅―相国寺と鉄塔/中国余談
中国語初学の記
4・6判 270頁 2003年11月発行 ISBN 978-4-87636-226-4
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堀 敏一 著
貧乏人から身を起こし、漢帝国を成立させるまでの劉邦とその部下たちの活躍を、学問的レベルを保ちつつ平易に活写する。
〈目次〉
一 亭長時代の劉邦
劉邦はどんな人か/亭とは何か/秦末・漢初の地方政治/亭長としての劉邦/劉邦、群盗になる
二 民間勢力の蜂起と秦帝国の打倒
陳勝・呉広が旗揚げする/劉邦が挙兵する/項梁・項羽も挙兵する/項羽・反乱軍の指揮者となる/劉邦、関中へ進撃する/劉邦、関中に入る―法三章/鴻門の会/項羽、咸陽を屠る
三 劉邦と項羽の天下争奪
項羽の天下配分策/劉邦の東進と漢帝国の萌芽/劉邦と項羽の決戦はじまる/滎陽・成皋の攻防/韓信の活動/広武山での対決/劉邦、和議を裏切る/垓下の歌
四 漢帝国の経営―皇帝となった劉邦
劉邦の皇帝即位/皇帝としての儀式と教養/国都の選定/功臣たちの処遇―列功/功臣たちの処遇―諸侯王/異姓諸侯王の反乱と廃除/劉氏の非ざれば王たらず/匈奴との戦争と平和/法体制の整備
五 劉邦の死前後
大風の歌/劉邦の死/蕭何以後の宰相と黄老思想/後継問題と呂后の復讐/呂氏政権と劉邦功臣の決起
4・6判 234頁 2004年4月発行 ISBN 4-87636-230-0
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大木 康 著
明末の書籍出版の変化・実体とその背景を考察し、出版の流布が学術・文化や社会の方向をいかに規定したかを検証する。
第一章 明末江南における書籍出版の状況
出版点数の増加/出版地の変化/出版形態の変化―官刻・家刻・坊刻
第二章 明末江南における出版業隆盛の背景
技術の進歩/原材料の供給と刻工/書物の需要/書物の価格
第三章 明末江南における出版文化の諸相―初期大衆伝達社会の成立
李卓吾思想の流行/華亭董家焼き打ち事件/東林と復社/明清交代期の情報伝達
第四章 明末江南の出版人
陳継儒/馮夢龍
第五章 『儒林外史』に見る出版活動
士人と出版/八股の士たち/詩文の士たち/再び八股の士たち
訳注/参考文献案内/訳者あとがき/術後・事項索引/書名・人名索引
4・6判 274頁 2004年5月発行 ISBN 4-87636-231-9
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有田 和夫 著
清末民国初期の研究成果を土台として、西欧近代思想に対して新理論として選択的受容した日本と膨大な文化的遺産との照合という作業を必要とした中国の文化のかたちの差異を考察。
第一章 近代西欧思想概念の解釈
倫理概念/理性概念
第二章 異文化との接触
中国と日本における朱子学の思想史的位置とその特性/四部分類法的世界から十進分類法的世界へ/西周と日本漢学
第三章 西洋思想へのアプローチ
西周とその周辺/幕末における異学へのアプローチの一般的傾向
第四章 孔子論
孔教会をめぐって/『新青年』所載の孔子論/呉虞の孔子論
第五章 孔子論の行われた時期の思想的一般情況
中国哲学史という視座/個人の自立
4・6判 192頁 2004年9月発行 ISBN 4-87636-234-3
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小川陽一著
明清時代以降、肖像画が大衆化し、小説・戯曲が流行した。その肖像画を題材・モチーフとした文学作品や肖像画なしでは成立しがたい作品を取り上げ、構築されたその特異な文学世界を読み解く。
序章 中国の肖像画文学の源流
王昭君物語/真真物語/肖像画と美人画
第一章 中国文学と肖像画
李瓶児の肖像画/肖像画と中国文学/肖像画を表す中国語/肖像画の特色/肖像画の歴史/民間の肖像画/似顔絵
第二章 肖像画の小説 その一
肖像画の小説は短編/肖像画の戯曲は長編/幻想の世界/兪蛟蛟と『夢厂雑著』/「閔孝子伝」/その後の閔孝子/閔貞と「閔孝子伝」/杜濬の嘆き/「追容の法」
第三章 『追容像譜』―「追容の法」のマニュアル
『追容像譜』/肖像画の即製品/『追容像譜』のなかの顔/高齢者が多い/顔見本集/肖像画には暇と金がかかる/暇と金がかかっても/貧乏人には容易でない/『追容像譜』の用途
第四章 肖像画の小説 その二
曽七如『小豆棚』/「黄玉山」/みな絶世の美女/怪奇性と幻想性/「黄玉山」の世界/先行作品/『諧謔』のなかの非非/「黄玉山」の怪奇性
第五章 肖像画の戯曲 その頂点一
「漢宮秋」雑劇/顔を損なう/「梧桐雨」雑劇/王昭君戯曲と人相術/肖像画と人相術
第六章 肖像画の戯曲 その頂点二
『牡丹亭』伝奇/『画中人』伝奇
第七章 肖像画の戯曲 その多様性
「両世姻縁」雑劇/南戯『琵琶記』/『燕子箋』伝奇/『療妬羹』伝奇/十不画/『玉掻頭』伝奇
第八章 肖像画の笑話
形似と神似/肖像画の不思議/肖像画の笑話/似ていない/似ていない肖像画の利用法/恐妻家文学/死んだ妻でも怖い/肖像画はその人に準ずる/けちな客/肖像画と春画
第九章 像賛と題像詩
像賛と題像詩/楊士起の像賛/李漁の像賛/葉紹袁の題像詩/施紹袁の題像詩/施紹莘の題像詩/馮惟敏の題像詩
第十章 明清社会と肖像画 肖像画文学の背景
祭祀と肖像画/人物像伝の流行/『清代学者象伝』/張岱「於越三不朽図序」/小説戯曲の挿絵の流行/尤侗の『年譜図詩』『小影図賛』/優雅な遊び/下品な遊び/子どもの肖像は描かない/肖像画のなかの遺言状/魯迅の末弟の肖像画
4・6判 200頁 2005年3月発行 ISBN 4-87636-247-5
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中嶋 隆藏 著
日本人的な「文人」観とはことなる中国歴代の人びとが描き出してきた「文人」像について、時代をおって実際の資料を広く探り、その諸相と変遷の実態を解析し、現代における「文人」の意味を考える。
〈目次〉
漢魏時代の文人像―王充と曹丕
王充が描く「文人」像/曹丕が描く「文人」像
六朝時代における文人像―葛洪、劉勰、顔之推と姚察
葛洪の『抱朴子』に見える「文人」/六朝後半の「文人」像
唐宋時代の「文人」像―白居易、司空図、蘇軾と陸游
唐代の「文人」像/宋代の「文人」像
明代後期の「文人」批評―胡応麟と顧炎武
“文人層”出現の時代/胡応麟の「文人」批評/顧炎武の「文人」批評
清代中期の「文人」批評―章学誠と趙翼
章学誠の「文人」批評/趙翼の「文人」批評
辛亥革命直前の文人像―周作人と高鳳謙
周作人の「論文章之意義曁其使命因及中国近時論文之失」/高鳳謙の「論偏重文字之害」
民国成立期の文人像―李大釗、胡適、林吾堂、蒋廷黻、瞿秋白と銭鍾書
李大釗の「厭世心与自覚心」と胡適の「文学改良芻議」/林吾堂の「做文与做人」/蒋廷黻の「知識階級与政治」、瞿秋白の「文人」、銭鍾書の「論文人」
4・6判 220頁 2006年2月発行 ISBN 4-87636-257-2
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台湾の文学者たちが直面する困難さ・複雑さを克服し、台湾文学の火を絶やすことなく守りつづけている努力を直視し評価。そこから生まれる台湾の文学のおもしろさと豊かさを開示する。
〈目次〉
台湾文学のおもしろさ―序にかえて
台湾文学の歴史と個性
文学から見た八〇年代の台湾
陳映真
施明正
郷土文学論争(一九三〇~三二)について
台湾の日本語文学と台湾語文学
『許寿裳日記』をめぐって
四〇年代後半期台湾文学研究の資料と視角
戦後台湾の「国語」問題
近代文学形式の構図―政治小説の位置をめぐって
魯迅と斎藤野の人
あとがき
4・6判 302頁 2006年6月発行 ISBN 4-87636-261-0
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小林 武 著
章炳麟の思想的成熟を、単に伝統の再生や反近代性といった 視角から捉えずに、西洋近代思想や明治思潮というグローバルな知的環境が介在して、はじめ て可能であったことを論証。章炳麟の思想的軌跡が、西洋近代や明治日本とは異なる、もう一つの近代の形を示していることを解明する。
〈目次〉
序章 閉じられた世界から開かれた世界へ
中華意識の変容/日本への知的接近
第一章 章炳麟と明治思潮―西洋近代思想への接近
西洋近代思想への接近/西洋近代思想の陰翳/宗教学者姉崎正治との思想的関係
第二章 『民報』期の章炳麟と明治思潮―西洋近代思想からの転回
明治の厭世観と章炳麟/「自主」の思想―自利か利他か/『道徳大原論』と共同感情論
第三章 章炳麟『斉物論釈』の哲学―西洋近代思想との対抗
考証学から哲学へ/本体とは何か―迷いと悟りと/『斉物論釈』―自他融合の哲学と解釈学/終わりに―もう一つの近代
4・6判 228頁 2006年11月発行 ISBN 4-87636-266-1
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菊地 章太 著
十八世紀から二十世紀の初めにかけていくつかの部門を開拓してきたフランス東洋学の成り立ちをフランス文化の歩みの中でたどる。新知見に満ち、軽妙な筆致と多数の図版で、楽しく読める学術史。
〈目次〉
ボスフォラスのかなたへ―オリエント急行とアジアの夢
ローマがくしゃみをするとパリが風邪をひいて東洋学が始まる―イエズス会士の中国研究
東の西洋かぶれと西の東洋かぶれ―絶対王政下の中国地図作製
ペルシアがだめなら中国があるさ―啓蒙主義とイラン学のあけぼの
インドのかたきをエジプトで―ナポレオン遠征とオリエント研究
ポリグリットの花園―サンスクリット研究の歩み
こんどはパリがくしゃみをするとローマが風邪をひいて死海写本が見つかる―パレスティナ研究とフランスの威信
ピレネーの向こうのオリエント―イスラム研究が意味するもの
光は西からか?―ガンダーラとインドをめぐる論争
ソシュールのもうひとつの遺産―中央アジア研究から比較神話学まで
探検はどろぼうの始まり―アッシリア学と敦煌研究にみる英仏対決
シベリア鉄道から満鉄に乗り換えて―フランスの古典研究がめざすもの
4・6判 192頁 2007年9月発行 ISBN 978-4-87636-274-5
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松永正義著
〈目次〉
台湾を考えるむずかしさ―序にかえて
台湾語運動覚書
台湾語の表記問題
台湾語事情札記
日本における台湾文学の研究について
台湾新文学運動史研究の新しい段階
世界華文文学雑感
ふたつの「教科書問題」
台湾から見た中国ナショナリズム
台湾にとっての日本の意味―藤井省三氏への異議
台湾認識の問題
いま竹内好を読むということ
台湾領有論の系譜
日本国内ジャーナリズムにおける霧社蜂起事件
4・6判 326頁 2008年7月発行 ISBN 978-4-87636-281-3
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興膳 宏 著
他の世界文学にはない、中国文学独自のすばらしさへの共鳴を通奏低音とするさまざまな文章を収録。やせ細った古典への素養という現在の状況への頂門の一針。
〈目次〉
Ⅰ
中国古典の過去と現在/中国における古典意識の成立/儒教と中国文学/『荘子』の難しさとおもしろさ/漢詩のリズム/七言十二句という詩型/日本と中国の七夕詩/書くということ
Ⅱ
中国研究この五十年―文学/「中国詩人選集」のころ/『詩品』研究会のこと/出会いのころ―林田慎之助さんと私/第二回日本漢学国際学術討論会に参加して/七十年を生きる
Ⅲ
斯 波六郎氏の著作/平岡武夫『白居易―生涯と歳時記』を読む/アンドレ・レヴィ『中国古典文学』/門田真知子『クローデルと中国詩の世界』―ジュディット・ ゴーチェの『玉書』などとの比較/上野本『王勃集』のことなど/『広辞苑』の「広」について/会津八一と唐詩/漢詩道場を格子窓から覗く/落語と中国の笑 話/異文化の中の落語/「スター・ウォーズ展」始末記
Ⅳ
幻の宇治分校/志村良治先生との温泉旅行/入谷仙介さんの研究人生/吉川幸次郎小伝/吉川幸次郎先生の漢詩
4・6判 310頁 2008年10月発行 ISBN 978-4-87636-289-9
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川合康三著
中国古典文学をめぐる文章、論考、先師にまつわる小文等を通じて、著者の古典への識見が示される第一エッセイ集
〈目次〉
Ⅰ
志 の文学/中国の士大夫と古典的教養/古いは新しい、新しいは古い/『中国の自伝文学』をめぐって/文学史という枠組み―『中国の文学史観』をめぐって/平 凡な幸せ―中国におけるもう一つの「楽園」/中国の詩学/優美なる悲傷―六朝文学の特質/永遠の自然・有限の人間 杜甫/仕官と隠棲のはざまで 白居易/ この人・この三冊 李白
Ⅱ
阮籍の飛翔/陶淵明「帰去来兮辞并序」の「序」をめぐって/広廈千万間―杜甫と白居易/人生識字憂患始―中国読書人の憂愁/執念の記録―李清照「金石録後序」/月と花―和漢対比の一側面
Ⅲ
吉 川幸次郎先生誕百年に寄せて/小川先生を偲ぶ/受講生からみた小川先生/入矢先生追憶/お詫びの数々―志村良治先生追悼/比叡平の以文会―松平千秋先生追 悼/松浦友久先生追悼/日野先生の笑み/林田慎之助先生との交わり/太田次男先生の旧鈔本研究/一海先生の訳詩/詩の歓び・酒の楽しみ―沓掛良彦『讃酒詩 話』を読む
4・6判 294頁 2008年10月発行 ISBN 978-4-87636-290-5
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高木 重俊 著
文学史に新たな題材を提供した唐代の科挙文学の世界三百年の展開と変遷を韻文・散文の諸作品と人物を通して考察する。
〈目次〉
「至公」に寄せる思い
古代の伝承から/至公と科挙/至公論に見る士人の面目
韻文篇
受験生たちの長安/及第詩/落第詩/得喪の悲歓こもごも/詩人のいる風景
散文篇
干謁の文章 王冷然の書簡/白居易の書簡
筆記小説から 詩人の登場(陳子昴)/及第より友情(白敏中)
貢挙・銓選と「文章」
文章と経国・立身/詩・賦の優位と雕虫・篆刻への批判/銓選と文章意識/正直な文章に正当な評価を/文章はやはり名利の源
詩人任華の咆哮
任華における李白・杜甫/任華の自薦と文学
4・6判 272頁 2009年2月発行 ISBN 978-4-87636-295-0
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相田 洋著
茶館、宿屋、橋、義と社などを、空間や時間に印を入れて、内と外を区切る境界的空間として取り上げ、また、無頼、くノ一と幽霊女、用心棒、羅教を異人の世界という観点から分析したユニークな中国史。
〈目次〉
第一部 境界の世界
境界の原理―義と社
義について/社と義
境界としての宿屋―逆旅の怪
中国の宿屋/さまざまな宿屋―乞食宿・公事宿/黒店と鬼店
境界としての茶館
喫茶の普及と茶館/茶館の構造と種類/境界としての茶館
橋と境界
橋と行政、橋と民間の公共事業/橋と市/橋と異人
第二部 異人の世界
異人としての無頼―唐宋時代の無頼
無頼について/唐宋時代の無頼について
くノ一と幽霊女―侠女と幽女
侠女と軟弱男/幽女と軽薄男
中国の用心棒―鏢師・鏢客
鏢師・鏢客の起源/鏢局の成立/清末・民国初期の鏢局/縹局の終焉
水運業者の宗教・羅教
羅教と羅祖/羅教の思想/明末における羅教の展開/羅教から青帮へ
コラム
北京の下宿屋/キン・フー映画と宿屋(客桟)/支那通/現代中国の冥婚事件/中国武経映画の女神たち/武経小説と鏢師・鏢局/映画「グリーン・デスティニー」と鏢師・鏢局
4・6判 398頁 2009年9月発行 ISBN 978-4-87636-302-5
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後藤 秋正 著
漢詩や漢文の世界を身近に感じさせる滋味あふれた文章を集める。日本文学との関係や典故についてなど十六編を収録。
〈目次〉
Ⅰ 川は西に流れるか 川は西に流れるか―陸機「弟子龍に贈る」詩小考/「隴上歌」小論―再び西流の水について考える/「隴上歌」の注釈/宋之問の「北ぼう古墓」詩/杜牧の詩―その政治意識と美意識/曹ぎょうの生涯とその詩/曹ぎょうの「北郭閑思」詩
Ⅱ 更に尽くせ一杯の酒 伯夷・叔斉以後の兄弟たち/「天高く馬肥ゆる秋」について/更に尽くせ一杯の酒―別離の酒/「耳順」「杖郷」「花甲」などの語―六十歳・六十一歳を表す語と漢詩/陸游「柳暗花明」の先行例をさぐる/漢詩とネズミ
Ⅲ 月は東に日は西に 平安朝初期の漢詩―『文華秀麗集』を中心として/蕪村「菜の花や月は東に日は西に」と漢詩/唱歌「箱根八里」の歌詞と漢詩文
あとがき/初出一覧/索引
4・6判 272頁 2009年10月発行 ISBN978-4-87636-303-2
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野間 文史 著
『左伝』の全体像を解析し、更に特徴的な部分を読み解くことでその成立ちと著作意図を考察する。
〈目次〉
第一章 左伝研究序説
第二章 左伝の多元世界 大部な『左伝』/列国の史記/国別『左伝』の復元/『左伝』の重層性/『左伝』の重心
第三章 覇者の時代(一)普文公 普文公登場前夜(一)曲沃伯/普文公登場前夜(二)献公・驪姫・大子申生・恵公/公子重耳放浪譚/晋文公の覇業と『左伝』の評価
第四章 覇者の時代(二)斉桓公 斉桓公登場前夜/斉桓公の覇業と『左伝』の評価/斉桓公の最後/『左伝』の管仲評価
第五章 大戦の時代―ひつ之役
第六章 賢大夫の時代(一)鄭の子産 弭兵之会/鄭の子産(鄭の七穆/外交辞令/批評・予言/為政/博学多識/同事異聞/子産説話)
第七章 賢大夫の時代(二)叔向・晏嬰・叔孫豹・公子札 晋の叔公(批評・予言/子産・晏嬰との出会い)/斉の晏嬰(社稷の臣/晏嬰と陳氏)/魯の叔孫豹/呉の公子札/賢大夫の時代
第八章 結びと参考文献
4・6判 424頁 2010年3月発行 ISBN 978-4-87636-308-7
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理論的提言が底流にある文章を「Ⅰ『東アジア近代』という概念」に、人物史から中国近代史を著述した「Ⅱ『近代』を生きた人々」、また民衆の視点から中国社会の深奥に息づく感覚に着目して描いた「Ⅲ 民衆を見つめて」、の三部で構成する。
〈目次〉
序文(小島晋治)
Ⅰ「東アジア近代」という概念
「東アジア」概念について考える/近代中国における王朝体制の崩壊と国家の「統一」について/中国近代の再統合と文明圏の主張/近代の日本と「アジア主義」/中国の近代の歴史像構成と帝国主義/中国の歴史における二〇世紀の意義/連綿と続く「統一帝国」の歴史
Ⅱ「近代」を生きた人々
反清復明を叫んで―天地会・哥老会・三合会/洪門の掟―天地会の儀式・規約・儀礼/ 洪秀全―地上天国の幻想/李鴻章と「文明開化」―若尾正昭著『清朝・大官の幻影』を読んで/評伝 悲劇の提督丁汝昌/康有為の変法自強運動―中国近代の苦痛/中華の発見者/中国の統合と毛沢東/中国の大家長
Ⅲ 民衆を見つめて
農民反乱と「平均主義」/台湾北港の媽祖廟について/一九八五年五月民主化運動と「動 乱」鎮圧/広西瞥見/広東、茂名の旅/秘密結社国際シンポジウムに参加して/ペルシャ湾の戦争と中国、日本/バス事故の中国/酷暑のなかの大学入試/聯想 版のIBMパソコン/サッカーと歴史認識/チベット騒乱と四川大地震―北京五輪をひかえて/中国・現代・民衆―あとがきにかえて
本書刊行の経緯(岸本美緒・坂元ひろ子・原宗子)
4・6判 328頁 2010年8月発行 ISBN 978-4-87636-312-4
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王徳威著 三好章訳
台湾に生まれ、日本で才能を開花させ、その後中国革命の中で数奇な運命をたどった音楽家の生涯を雄大なスケールで追究。
〈目次〉
日本語版への序文(王徳威)
プロローグ
1 植民地的コスモポリタニズムから「想像の郷愁」へ
2 儒教音楽の政治
3 叙事詩の時代の抒情
エピローグ
抒情の伝統と現代文学―王徳威の人と仕事(高嘉謙)
二〇世紀という時代の東アジアと西洋音楽―解題にかえて
江文也の主要な作品
江文也年譜
4・6判 192頁 2011年2月発行 ISBN 978-4-87636-317-9
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西槇 偉著
近現代中国の代表的な知識人のひとり豊子愷の文学を、夏目漱石やラフカディオ・ハーンとのかかわりから読み解く。豊子愷の漱石やハーンからの影響を明らかにし、そこから漱石やハーンの小品文学の特色を浮かび上がらせる。
〈目次〉
Ⅰ 豊子愷の初期作品と夏目漱石
門前の彷徨―「法味」と「初秋の一日」および『門』/幼児体験の光と影―「憶児時(幼児の思い出)」と『硝子戸の中』/心の隔たり―「華瞻的日記(華瞻の日記)」と「柿」/異文化の対話―「縁」と「ケーベル先生」
Ⅱ 円熟期の豊子愷文学と夏目漱石
桃源の理髪店―豊子ガイと『草枕』/異国の師の面影―「林先生」と「クレイグ先生」、「藤野先生」/「自然」の美学―「帯点笑容(ちょっと笑ってください)」と『硝子戸の中』/「時」の力にあらがう「文学」―『縁縁堂続筆』と『硝子戸の中』
Ⅲ 豊子愷とラフカディオ・ハーン
響きあうテキスト―「蝌蚪(オタマジャクシ)」と「文鳥」、「草ひばり」/自己神話的文学の背景―「蜜蜂」と「蠅の話」/アリへの賛歌―「清晨(早朝)」と「蟻」
豊子愷小伝
豊子愷略年表
4・6判 376頁 2011年6月発行 ISBN 978-4-87636-320-9
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後藤秋正著
杜甫の詩を生活者としての視点からとらえ直した論考のⅠ部と、杜甫に見える、一見平易な言葉に見えながら一律には扱えない詩語について考えた文章を収めるⅡ部とで構成。
〈目次〉
Ⅰ 杜甫の詩
食事を詠ずる詩/飢餓を詠ずる詩/白髪を詠ずる詩
Ⅱ 杜甫と詩語
「春望」の「国」について/「秦州雑詩」の「因人」について/「同谷歌」の「狙公」について/「東西南北の人」について―杜甫と高適の酬和詩を中心として/杜詩と「牛馬」/杜詩と「牛羊」/杜詩と「熊羆」
4・6判 336頁 2011年10月発行 ISBN 978-4-87636-329-2
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高木 重俊 著
幕吏としての身分を離れることなく詩作した岡本花亭の生涯・交友をたどり、その漢詩から看取できる個性的表現や独自の感性を俯瞰する。
<目次>
第一章 |
岡本花亭の生涯と詩業 岡本花亭の生涯の概説/花亭詩の諸相 |
第二章 |
岡本花亭と『亨余一臠』―泊翁との文学交流 『亨余一臠』の写本/花亭と泊翁との唱和をめぐって/芳津館筆談抄録 |
第三章 |
花亭・詩仏と練塀小路 唱酬の発端―江山詩屋の詩会/両人の唱酬の立ち上がり―「斉物」の思いと世俗への絶縁/老詩人が詠じる中国の話題/練塀小路の二人の住まいと交友 |
第四章 |
岡本花亭と『信山唫稿』―文人代官の文学世界 代官就任と初めての仕事/信州中野の任地視察/民の訴訟と繋獄への思い/民を導く父母の官たるつとめ/「諭狼詩」をめぐって/江戸への帰途と帰着の後 |
4・6判 240頁 2011年10月発行 ISBN 978-4-87636-330-8
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筧 文生 著
新歳時記・訪中の記・日本と中国をめぐって思い出すことども、碩学による珠玉のエッセイ集。
<目次>
Ⅰ |
講演記録 日本人の中国理解と中国人の日本理解/戦後五〇年をどうみるか―日中関係をめぐって/魯迅をめぐる三人の女性/記憶の中の吉川幸次郎先生 |
Ⅱ |
華国紀游 汕頭(スワトゥ)行/「唐代文学国際学術会」に参加して/台湾訪書行/柳州行/鬱然たり千載詩書の城/中国観光の様変わり/中国旅游スケッチ―“改革”“開放”のはざまで |
Ⅲ |
新歳時記 我は夏日の長きを愛す/三五夜中 新月の色/今朝 仏粥 更ごも相い餽る/清明の時節 雨 紛紛/長安 百花の時/蜀犬 日に吠ゆ/運動会―馬球と抜河/風頭は刀の如し/寒梅/採蓮/竹林/松柏 |
Ⅳ |
三言両語 校正癖・考証癖/諸橋『大漢和辞典』海賊版のことなど/切り抜き魔/地図が大好き/韋編三絶/訓読の功罪/つぶし屋 |
4・6判 360頁 2011年12月発行 ISBN 978-4-87636-332-2
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岸本美緒 著
時代区分という大きな問題や、「名刺」の利用を通じての社会模様の考察など、一般読者を考慮して書かれた作品を収録。
<目次>
Ⅰ |
歴史変動と時代区分 |
Ⅱ |
身分と風俗 |
Ⅲ |
歴史のなかの風 |
4・6判 310頁 2012年5月発行 ISBN 978-4-87636-338-4
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岸本美緒 著
市場と貨幣・国家と社会秩序・驚く歴史家、驚く読者の三部構成で、市場論と暴力論を中心にまとめる。
<目次>
Ⅰ |
市場と貨幣 |
Ⅱ |
国家と社会秩序 |
Ⅲ |
驚く歴史家、驚く読者 |
4・6判 348頁 2012年6月発行 ISBN 978-4-87636-340-7
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山本和義著
蘇軾のこと、唐宋の詩文、歳時記、師友回億等のテーマに分かち、蘇軾の文学に魅せられて五十余年の研究生活を続けてきた著者の軌跡を一冊に収輯する。
<目次>
Ⅰ |
蘇軾研究 |
Ⅱ |
唐宋の詩文 |
Ⅲ |
歳時記抄 |
Ⅳ |
師友回億 |
Ⅴ |
川名山雑記 |
4・6判 278頁 2012年7月発行 ISBN 978-4-87636-343-8
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並木頼寿著
秀徹した史眼と温かいまなざしで日中の近現代を問いつづけた歴史家による教科書問題と明治期日本人の中国観を中心とした作品を精選。
<目次>
まえがき 大里浩秋
Ⅰ |
明治期日本人の中国観 |
Ⅱ |
日中間教科書問題の諸相 |
Ⅲ |
中国研究を見つめて |
あとがき 杉山文彦 |
4・6判 320頁 2012年8月発行 ISBN 978-4-87636-344-5
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筧 久美子著
謎の多い李白の生涯と文学について、五十年に亘り少しずつ問題点を解きほぐし、理解を深めていった軌跡を集成。
〈目次〉
Ⅰ まじめだった李白
李白―人と思想/まじめだった李白/天の我が材を生ずるは必ず用あり―李白とのえにし/独酌 相親しむ無し―一人で飲む酒/李白における時間推移の感覚について
Ⅱ 李白とその妻たち
李白結婚考/「妻に贈る詩」と「妻をうたう詩」―李白と杜甫/入り婿「詩仙」の悲劇―理想敗退の背後にあるもの
Ⅲ 李白論
李白総説/李白論/李白の楽府について
Ⅳ 李白研究の動向
唐代文学国際学術討論会及び李白研究の動向/〈書評〉黄錫珪『李太白年譜』・詹鍈『李太白詩文繋年』/〈書評〉郭沫若『李太白与杜甫』/〈書評〉大野實之助『李太白研究』/阿倍仲麻呂にとっての奈良/『新唐書』「李白伝」訳注
あとがき(筧 文生)
4・6判 304頁 2012年11月発行 ISBN 978-4-87636-348-3
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後藤秋正著
杜詩に出るトンボや蝶に着目して詩の魅力に新たな光を射て、またその詩語や彼の墓について論究する。杜甫生誕千三百周年を期して刊行。
〈目次〉
Ⅰ 杜甫の詩
杜甫とトンボ/杜詩と蝶/「何れの日か是れ帰年ならん」―杜甫「絶句二首」と李白「奔亡道中五首」―
Ⅱ 杜甫と詩語
「渾渾」考/「執熱」考/「狐狸」「狐兔」考/「飛動」考/「飛騰」考/「稚子」と「雉子」と―杜甫「絶句漫興九首」〈其七〉
Ⅲ 杜甫の墓
『鞏県志』と杜甫墓/偃師の杜甫墓
4・6判 270頁 2012年11月発行 ISBN 978-4-87636-350-6
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吉田 公平著
中国古典、とくに陽明学を芳醇な滋味に発酵させ、そのエッセンスを平明な文章で、現代に生きる思想として伝える。
<目次>
Ⅰ |
教養としての陽明学 |
Ⅱ |
「心火」を癒す |
Ⅲ |
共生社会に生きる |
Ⅳ |
資源としての中国哲学 |
4・6判 282頁 2013年4月5日発行 ISBN 978-487636-361-2
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