研文出版 新刊図書のご案内

「春望」の系譜ー続々・杜甫詩話 【研文選書126】

後藤秋正著

本書を三部に分けた。Ⅰには杜甫「春望」に関わる文章を、Ⅱには杜甫の詩を読み進める中で気づいた語と、動植物に視線を向けた詩に関わる文章を収め、Ⅲでは杜甫の「逸詩」「逸句」を扱った。Ⅲは初めての試みである。・・・拙著において、杜甫の詩の特質をどの程度明らかにできたか、まさしく一斑もて全豹を評するようなものだが、部分の解明が全体の解明につながってゆくことを信じながら、今後も杜甫の詩を読み続けたいと思う。(「あとがき」より)

 

Ⅰ 「春望」について

「春望」の系譜╱杜甫「春望」の頷聯について╱杜甫の詩における「山河」と「山川」、「江山」

Ⅱ 杜甫の詩と詩語

杜甫「旅夜書懐」の「星垂」はどのように読まれてきたのか╱「牛炙・牛肉」についての覚書ー杜甫「聶耒陽詩」╱杜甫の詩とサルー猿・狙など╱杜甫の詩とニワトリ╱杜甫の詩とタケノコー筍・笋

Ⅲ 杜甫の「逸詩」と「逸句」

杜甫の「逸詩」について╱杜甫の「逸句」について

あとがき╱初出一覧

4・6判 286頁 2017年5月発行 ISBN 978-4-87636-423-7

¥2,484
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京大人文研漢籍セミナー6 目録学に親しむー漢籍を知る手引き

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター編

古勝隆一・宇佐美文理・永田知之著

 目録学ー俯瞰の楽しみ(古勝隆一)

目録学の意義╱目録を眺める╱俯瞰の楽しみ

子部の分類について(宇佐美文理)

『漢書』藝文志における「子部書」について╱子部における「雑」の問題

目録学の総決算ー『四庫全書』をめぐって(永田知之)

編纂に向けた動き╱編纂の経緯と反響╱提要の形式╱分類の様相╱編纂を可能にしたものー清朝考証学╱四部分類の終焉╱目録学のゆくえ

附録 漢籍目録の参考文献(古勝隆一)

A5判 134頁 2017年3月発行 ISBN 978-4-87636-420-6

¥1,620
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洞窟の中の田園ーそして二つの「桃花源記」

門脇廣文著

第一部 洞窟の中の田園

第一章 洞窟の中の世界

異界にいる人物╱食べ物╱勧帰と懐郷╱贈り物╱時間的経過╱空間的位置╱内部空間╱異界にいる人物の服装

第二章 「世俗」と「超俗」のあいだに

他の洞窟説話との比較検討╱陶淵明の田園詩との比較検討ー桃源郷と田園の相似性╱「世俗」と「超俗」のあいだに

第二部 物語としての「桃花源記」

第一章 洞窟に行く人、住む人

二つの「桃花源記」╱洞窟に行く人、住む人

第二章 物語としての「桃花源記」

『捜神後記』の「桃花源記」の物語の展開と登場人物の作用╱二組の対立関係と登場人物の関係

第三部 従来の「桃花源記」研究の概要とその問題点

第一章 従来の「桃花源記」研究の概要

記録か創作か╱完全な創作か、何かをもとにした創作か

第二章 従来の「桃花源記」研究の問題点

収集した民話、あるいは伝説の一つに過ぎないとする説の問題点╱歴史的事実をそのまま描いたとする説の問題点╱従来のとらえ方の概要╱完全な創作だとする考え方の問題点╱もとにしたものは現実の出来事だとする考え方の問題点╱もとにしたものは武陵についての民間説話だとする考え方の問題点╱もとにしたものは洞窟探訪説話だとする考え方の問題点

第四部 「外人」の解釈とその問題点

第一章 「外人」の解釈史の概要

「外人」解釈の概要とその整理╱「外人」解釈の諸説の内容

第二章 「外人」解釈の問題点

一語、一文における検討╱前後の文章との関係で構成される文脈における検討╱一段落の文脈および文章全体の文脈における検討╱「桃花源記」と「桃花源詩」との関係で構成される文脈における検討╱唐代の「桃源」詩との関係で構成される文脈における検討╱洞窟探訪説話との関係で構成される文脈における検討

〈附論〉川合康三氏の二篇の著述における「外人」に対する理解について

川合康三氏の「外人」に対する理解╱川合康三氏の「外人」理解の問題点

附録 第一部

第一章 陶淵明以前の詩文に見える「影」

「影」の三つのタイプ╱諸子の書の中の「影」╱文学作品の中の「影」

第二章 陶淵明の詩文に見える「影」

陶淵明の詩文に見える「影」について╱「影」が表現しているもの

附録 第二部

第一章 「読山海経」第一首「頗廻故人車」の従来の解釈とその問題点

二様の解釈╱従来の注釈の検討╱解釈に対する疑問点╱従来の用例の検討

第二章 「読山海経」第一首が表現している境地

陶淵明の詩文に見える「廻〜」の用例の検討╱文脈における検討

あとがき╱初出一覧╱「桃花源記」関係参考文献リスト╱注

A5判 468頁 2017年2月発行 ISBN 978-4-87636-418-3

¥9,180
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『文選』李善注の活用ー文学言語の創作と継承

富永一登著

序章 言語表現へのこだわり

第一部 文学言語の創作と継承

第一章 李善注の引書の活用

注引『論語』から見た文学言語の創作╱注引「子虚賦」「上林賦」から見た文学言語の継承╱注引「西京賦」から見た文学言語の継承╱注引曹植詩文から見た文学言語の創作と継承╱注引陸機・潘岳の詩文から見た文学言語の創作と継承

第二章 文学言語の継承と語意の変化

「孤」を用いた文学言語の展開ー陶淵明に至るまで╱「散志」考ー昭明太子の言葉╱「情」と「自然」、「山水」と「山河」について╱書評「林英徳著『《文選》與唐人詩歌創作』」(知識産権出版社)

第二部 『文選』版本考

第三章 板本『文選』李善注の形成過程

旧鈔無注本『文選』に見られる「臣君」について╱『文選』李善注の増補改変ー従省義例「巳見〜」について╱『文選』李善注の伝承ー唐鈔本から尤本へ╱書評「岡村繁著『文選の研究』」(岩波書店)

第四章 『文選』李善注の原形

唐鈔本李善単注本『文選』残巻考╱唐鈔本李善単注本『文選』残巻校勘記

結章 『文選』李善注活用の展望

初出一覧╱あとがき╱語彙索引

A5判函入 596頁 2017年2月発行 ISBN 978-4-87636-417-6

¥13,500
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『王勃集』と王勃文学研究

道坂昭廣著

初唐四傑の一人、王勃の文学を探求し、さらに日本に伝わる王勃の文集について精査する。

 

Ⅰ 王勃の文学とその周辺

王勃試論―その文学の深淵について/王勃の序/初唐の「序」/王勃・楊烱の陶淵明像/盧照鄰の陶淵明像

Ⅱ 日本伝存『王勃集』の意義

テキストとしての正倉院蔵『王勃集詩序』/王勃佚文中の女性を描く二篇の墓誌/王勃「滕王閣序」中の「勃三尺微命、一介書生」句の解釈/正倉院蔵『王勃詩序』中の「秋日登洪府滕王閣餞別序」/日本に伝わる『王勃集』残巻―その書写の形式と「華」字欠筆が意味すること/『王勃集』の編纂時期―巻三十所収「族翁承烈致祭文」を中心に/王勃南行考―父子同行の可能性について

Ⅲ 日本伝存『王勃集』をめぐる問題

伝橘逸勢筆「詩序切」と上野本『王勃集』の関係/日・中における正倉院蔵「王勃詩序」の発見/日本伝存『王勃集』残巻景印覚書

あとがき/初出一覧/索引

A5判 410頁 2016年12月発行 ISBN 978-4-87636-416-9

¥8,100
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日本統治期台湾文学研究 台湾の児童文学と日本人

中島利郎著

第一章 台湾最初の児童文学家・西岡英夫研究序説

第一部 大正期・台湾における「お伽事業」の創始

西岡英夫と巌谷小波、後宮信太朗╱西岡英夫の「お伽事業」╱巌谷小波の来台と「お伽事業」╱「お伽噺」から「童話」そして「児童文学」

第二部 大正期より昭和期の活動

西岡英夫の「童話を通じて観たる台湾」をめぐって╱口演童話及び放送童話╱西岡英夫と台湾の児童劇・童話劇╱昭和期の西岡英夫╱西岡英夫著作目録

第二章 西川満と台湾の児童文学

西川満の初めての童話╱西川潤のための児童文学書╱『国語新聞』連載の「西遊記」╱西川満と黄氏鳳姿╱西川満児童文学関係目録

第三章 日高紅椿覚え書き

日高紅椿についての先行研究╱日高紅椿の生涯╱台中時代一鈴蘭社・台中童謡劇協会・日高児童楽園╱台北時代ー「日高児童楽園」の復興と台北児童芸術協会╱日高紅椿著作目録

第四章 まど・みちおと台湾ー忘れられた「戦争協力詩」

石田道雄の「戦争協力詩」╱忘れられた「戦争協力詩」╱ある結論╱ある編集者の死についてー編集者の責務╱『続・まど・みちお全詩集』について╱石田道雄(まど・みちお)台湾紙誌発表作品目録

あとがき

A5判 274頁 2017年3月発行 ISBN 978-4-87636-419-0

¥5,184
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福田殖著作選 全二巻

宋元明の朱子学と陽明学 福田殖著作選Ⅰ

 

福田殖先生は、楠本正継先生の学統を承けて、宋明の儒学思想の基調を丁寧に読み解かれて、ともすると等閑視されがちであった元代の儒教をも論究されました。・・・福田殖先生の論文には、読者を驚かすような「険語」は含まれていません。坦々とした論述ながら、原典を深く読みこんだ上での、滋味豊かな論述ですので、教えられることの多い論考です。また、楠本正継、岡田武彦の両先生はもとより、荒木見悟先生、島田虔次先生らの論考を始め、中国の銭穆、牟宗三、侯外廬らの碩学の業績をも参照し、さらに新進気鋭の研究論文をも踏まえて叙述されています。研究史を踏まえた上で、自らの理解を諄々と叙述されていますので、説得力に富んでいます。読者の皆さんには、十分に味わって頂きたいと思います。(まえがき・吉田公平)

 

まえがき(吉田公平)

Ⅰ 道学詩 

朱子の道学詩について/宋明の道学詩に関する二、三の問題

Ⅱ 宋代篇 

范仲淹に関する二、三の問題/胡安国小論/張南軒に関する二、三の考察/張南軒初年の思想/朱子の死生観について

Ⅲ 元代篇 

許衡について/元代の経学者許衡―その思想的特色/呉澄小論

福田殖先生の学問(疋田啓佑)

A5判 556頁 2016年12月発行 ISBN 978-4-87636-415-2

¥10,800
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日本と朝鮮の朱子学 福田殖著作選Ⅱ

 

福田殖先生は楠本正継先生に薫陶を受けられて、中国哲学の中でも近世の新儒教、とりわけ朱子学・陽明学を中心にすえて研究された。福田殖先生も純正哲学を思索の糧にされながら、楠本正継先生がそうであったように、もろにそれを露わにすることを控えられて、専ら中国・朝鮮・日本における朱子学と陽明学に焦点をあてて研究された。本書は日本と朝鮮における朱子学に関する論文を収録した。(まえがき・吉田公平)

 

1 本篇

陳元贇・朱舜水と安東省庵/朱子学の伝来と李退渓(滉)の朱子学の特色/李退渓の『自省録』について/李退渓と崎門学者楠本碩水〔報告〕/楠本碩水/大橋訥庵の『闢邪小言』について/小笠原敬斎略伝・資料/春日潜庵による『蕺山人譜』『王心斎全集』

2 附篇

『端山先生遺言』解題/幕末維新に影響した儒者/よみがえる西海の儒者 隠遁し「心」の本体問う/楠本端山/福岡藩の藩校/「旧棠館」の扁額と亀井昭陽肖像/岡田武彦先生の生涯と学問/荒木見悟先生の学問/日本陽明学の特色/福田殖先生とのご縁(吉田公平)

A5判 324頁 2016年10月発行 ISBN 978-4-87636-411-4

¥7,020
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「孝」の研究―孝経注釈と孝行譚との分析

佐野 大介著

『古文孝経孔安国伝』の思想の解析からはじめ、孝の構造を考究する。また孝思想の漢土と本朝との特定側面を比較検討し、さらに「孝とは何か」の著者見解を提示する。

 

第一部 『孝経』注釈に関する研究

第一章 『古文孝経孔安国伝』偽作説について 

『古文孝経孔安国伝』偽作説概観/『孔伝』偽作説研究の現況/太宰本の出現期

第二章 『孔伝』における「孝」と「忠」との関係

『孔伝』における二軸の人間関係/「孝」から「忠」への傾斜の様相/「孝」の規範的命題たる所以

第三章 『孔伝』における「孝治」と「法治」との関係

『孝経』の「孝治」と『孔伝』の「法治」/「法治」が推奨される根拠/「法治」に従わねばならぬ理由/『孔伝』における法概念と『管子』との関係

第四章 司馬光における『古文孝経指解』の位置

『古文孝経指解』と諸本との関係/古文テキスト選択の理由とその影響

第二部 「孝」と「不孝」との間

第一章 「孝」における「愛」と「敬」との関係

宋代以前における「愛」・「敬」解釈/宋代における「愛」・「敬」解釈/朱子学以降における「愛」・「敬」解釈

第二章 「孝」と「不服従」との関係

諫争の目的/諫争不成功時の対応/親の命に対する不服従

第三章 後漢孝批判の系譜と孝の規範性

後漢の孝批判/孝の規範性の根拠/『荀子』の孝観と後漢孝批判との関係

第四章 墨家の孝説とその批判

利と孝との関係/儒家の墨家的孝批判/節葬論と「親疎の別」との関係/節葬と明鬼と「親疎の別」との関係

第五章 本朝における親殺しの不孝の容認

忠孝背反状況/貞孝背反状況/孝孝背反状況/孝不孝一致状況

第三部 「孝」と血縁性との関係

第一章 孝行譚における血縁性の意味

血縁的親子関係/社会的親子関係/孝の構造

第二章 本朝近世孝行譚における養子の孝

社会的親子関係/社会的「養親―養子」関係/情緒的「養親―養子」関係

第四部 和漢における孝観念の異同

第一章 和漢における孝観念の異同

「親に先立つ不孝」への態度の異同/他姓養子への態度の異同

第二章 和漢の孝行譚における割股

和漢における割股に対する態度の異同/割股と食人忌避との関係//割股が現れる美談/割股と慈との関係/食人療病における原因認識の異同

結語/あとがき/初出一覧/索引

A5判函入 344頁 2016年11月発行 ISBN 978-4-87636-414-5

¥6,480
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中国怪異譚の研究―文言小説の世界

中野 清著

六朝の志怪と唐宋の伝奇の流れを汲む袁枚が記した『子不語』を中心に据え、中国文言小説について縦横に論じる。

 

はしがき

序論 文言小説の流れ―六朝の志怪と唐宋の伝奇

第一部 「鬼求代説話」の研究

袁枚『子不語』の鬼求代説話の筆法―紀昀の批判から/『子不語』『柳如是為厲』に関して―紀昀への批判/『子不語』の『鬼求代妨害説話』―「撃退する」と「論破する」/『子不語』の鬼求代説話の顛末―鬼が鬼を逐う

第二部 「僵尸説話」研究

『子不語』の僵尸説話の創作性/『子不語』僵尸説話の加工/『子不語』の僵尸説話―旱魃との関連について/『続新斎諧』の僵尸説話/『子不語』の僵尸説話―補遺及び結語

第三部 『子不語』の版本研究等

袁枚『子不語』の増補/『子不語』の妬鬼説話/木下杢太郎譚の『子不語』

第四部 古小説研究

「城門失火して、わざわいは池の魚に及ぶ」―成語の成立過程/「黒龍」から「烏龍」へ―六朝志怪の演変

あとがき/初出一覧/索引

A5判 322頁 2016年10月発行 ISBN 978-4-87636-413-8

¥6,480
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中国古典学への招待―目録学入門 【研文選書125】

程千帆・徐有富著 向嶋成美・大橋賢一・樋口泰裕・渡邉大訳

学問の中で第一に緊要とされる目録学を系統的に整理して記述すると共に、その活用法を説いた名著『校讎広義』目録編の全訳。多くの訳注の他、目録学要籍解題・目録学年表・目録分類要覧・参考文献を新たに作成。中国古典を志す人の必携の書。

 

まえがき 訳者より

第一章 目録と目録学

目録とは何か/目録学とは何か

第二章 目録の構造とその機能

篇目/書目/書の叙録/書目の序

第三章 目録の著録事項

書名/篇巻/版本/真偽/存佚/著者

第四章 目録分類の沿革

『七略』から『隋書』経籍志まで/四部分類法の形成以後における内部調整/四部分類の規則を守らない分類法

第五章 総合目録

国家蔵書目録/史志/叢書目録/地方文献目録/私人蔵書目録/聯合目録

第六章 学科目録

経学書目録/史学書目録/諸子学書目録/文学書目録

第七章 特種目録

推薦書目録/禁書目録/販書目録/引用書目録/版本目録/個人著作目録/目録の目録

第八章 目録の編製

主題の選定とその範囲/著録と配列/別裁と互著/序列と索引

訳者あとがき

附録 目録学要籍解題/目録学年表/参考文献(『校讎広義』参考書目挙要・訳者参考文献)

目録分類要覧

書名索引/人名索引/事項索引

4・6判 544頁 2016年9月発行 ISBN 978-4-87636-409-1

¥3,888
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戦時上海のメディア―文化的ポリティクスの視座から

高綱博文・石川照子・竹松良明・大橋毅彦編

日本占領下における上海の邦文・中文・欧文の新聞・雑誌メディアの実態を「多言語横断」・「多領域横断」な視点から多角的に分析し、種々のイデオロギーが交錯し、政治的な矛盾が入り乱れ、グレーゾーンといわれる上海メディア空間のあり方を考察する。

 

まえがき 高綱博文

1 メディアにおける「グレーゾーン」

戦時上海のグレーゾーンと女性メディア―『上海婦女』を通して 石川照子

『大陸新報』の汪精衛政権批判記事と検閲体制 堀井弘一郎

『大陸新報』連載小説にみるグレーゾーン―小田嶽夫「黄鳥」を中心に 戸塚麻子

日本占領期唯一共産党が指導した学生雑誌―戦争末期の上海『莘莘月刊』をめぐって 趙夢雲

《窓》と《繁星》―文学者・室伏クララのために 大橋毅彦

映画『萬世流芳』論―花木蘭から張静嫻へ 邵迎建/蟹江静夫訳

占領下の上海と戦後の香港―映画における繋がり ポシェク・フ―/西村正男訳

2 メディアにみる「帝国意識」

『申報』にみる靖国神社 馬軍/及川淳子訳

『上海日日新聞』と宮地貫道 竹松良明

第二次上海事変を中国のメディアはどう伝えたか―『申報』の「淞滬戦時」報道を中心に 徐静波

帝国日本の戦時上海への「まなざし」―上海観光メディアを中心に 高綱博文

3 メディア空間における「国際都市」

『ノース・チャイナ・ヘラルド』にみる日本人の表象 藤田拓之

『ノース・チャイナ・ヘラルド』・『ノース・チャイナ・デイリー・ニュース』が報じた上海の民族問題―ドイツ・オーストリアからのユダヤ避難民を中心として 関根真保

海派の刊行物と乱世の様々な姿―『永安月刊』(一九三九~一九四五年)を例として 陳祖恩/及川淳子訳

上海漫画家クラブとその周辺―「大陸新報」掲載記事を手掛かりに 木田隆文

あとがき 高綱博文

A5判 372頁 2016年10月発行 ISBN 978-4-87636-412-1

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中国のメディア・表象とジェンダー

中国女性史研究会編

メディアと表象という角度から、中国のジェンダー 史、とくに女性のあり方に迫る。メディアの中で表象される性別のあり方の研究はジェンダー史の中心 的な課題であり、それぞれのジェンダーのあり方は表象と実態、規範と現実の相互作用の中で形作られるという立脚点から十論文が考究する。

 

柳田節子先生の思いを継いで 前山加奈子

 小浜正子

元雑劇に見る家族像 大島立子

纏足・大脚・赤脚―明清時代における婢のイメージとメディア 五味知子

『圖畫日報』にみる清末上海の働く女性たち 前山加奈子

近代中国の女子学生―図像と回想による考察 石川照子・須藤瑞代

近代中国における主体的妓女の表象とその夭折―民国期の多様なメディアから 江上幸子

華北のある小都市での売春に関する研究―一九三〇年代を中心に リンダ・グローブ(田中アユ子訳)

台湾における戒厳令の解除と出版法の廃止―女性団体の関わり方に着目して 松井直之

「はだしの医者」の視覚表象とジェンダー 姚毅

行動派フェミニストの街頭パフォーマンスアート―図像を中心に 遠山日出也

日本における中国女性/ジェンダー史研究―中国女性史研究会の歩みを軸として 秋山洋子

あとがき 江上幸子・秋山洋子

中文・英文目次

A5判 322頁 2016年9月発行 ISBN 978-4-87636-410-7

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科挙と性理学―明代思想史新探

三浦秀一著

明代の性理学の展開を社会史的・哲学的角度から分析。科挙関連の知的営為が、明代思想史を動かす重要な要因素であることを実証的に解明する。

 

導論―明代の科挙と性理学

挙業盛んにして聖学亡ぶ 清初人士の明学観/永楽の三大全と「成説」に対する両面的評価

明代の科挙制度と科挙関連文献 試験科目と郷試考官/試験答案の史料的価値

明代思想史研究と「心外無事」の論理

Ⅰ 大全と程策

第一章 『性理大全書』の書誌学的考察

注釈書の誕生とその成長―集覧から補註・集釈へ/増注版の安定化―新刊性理大全/大全書受容の学術史的背景

第二章 明代科挙「性学策」史―程策の展開を中心に

標準の形成と「成説」の尊重/博学と自得の両立/理論的可能性の探求

Ⅱ 考試と督学

第三章 明朝各省郷試事略―考官選定基準の変遷とその背景

天順以前/成化・弘治期/正徳以降 

第四章 明朝提学官物語

提学官像の形成とその展開/督学理念の再検討/思想闘争の最前線

Ⅲ 挙業と徳業

第五章 湛若水「二業合一」論とその思想史的位置

「二業合一」論とその思想史的前提/「二業合一」論の反響

第六章 王門欧陽徳の学問とその会試程文

従学・登第・就職/南京国子監司業/帰郷・講学・復職

第七章 提学官王宗沐の思想活動

広西提学官時代/江西提学官時代

あとがき/索引(人名索引・書名索引) 

A5判函入 358頁 2016年2月発行 ISBN 978-4-87636-407-7

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中国学の散歩道―独り読む中国学入門 【研文選書124】

加地伸行著

中国学の通り道

若者のことばの明日/『大学』の中の小学/訓読という教養の復権/白川静『字通』―壮大な漢文の世界

中国学―老いの細道

『恍惚の人』と『厭がらせの年齢』/論語の老人論/『論語』を訳して/自著を語る/沈黙の宗教―高野山での体験から

中国学の寄り道

必ず原典を見る/『詩経』からの引用/三つの孔子像/「墨子はインド人である」論争/『史記』一書 功は十表に在り/王陽明の改名

中国学の曲り道

諸葛孔明の人間観/忠臣蔵・山鹿素行・『孫子』/『孫子』の情報戦略

中国学の畦道

儒教と老荘と/老子と実像/『韓非子』―悪の論理

中国学の離れ道

春服/『論語』における食/歯と中国文化と/『周礼』における古代中国の医術者像/儒教とスポーツと/中国の風

中国学―易への近道

急行に乗ろう、急行に

中国学の横道―詩才なき者の独語

漢詩指導についての覚書/或る感動/詩作の横道

中国学の野道

中国学の過去・現在・未来

4・6判 318頁 2015年10月発行 ISBN 978-4-87636-401-5

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韓愈詩訳注 第一冊

川合康三・緑川英樹・好川聡編

韓愈の詩の全作品について解題、校勘、訳、注を施す。銭仲聯『韓昌黎詩繋年集釈』に従って配列し、本冊にはその巻一、巻二を収める。 全五冊 第1回配本。

 

韓愈というと、散文家としての面がまず想起される。日本では『唐宋八家文』、『文章規範』に収められた作者として、そして中国では何より古文復興を唱え、宋以後の標準的な散文を導いた先駆者として、散文の領域における韓愈の貢献はいまさら言うまでもない。中唐の文人が一般的にそうであるように、韓愈は詩も文もひとしく作っているのだが、文に比べると、詩の方はあまり目立たない。・・・なるほど黄庭堅が言うように、またそれを引く陳師道も同調したであろうように、韓愈の詩は盛唐詩の達成した詩的成就、定型的な抒情から、はずれている。しかし基準にこだわらず柔軟に読みなおしてみれば、一言でいって韓愈の詩は、おもしろい。躍動している。古の道を説く道学者とは似てもつかない、人間臭さが満ち溢れている。それは白居易が安定した世界を描出すること、その世界に安住することを求めたのとは、対極に位置する。何が起きるかわからない危うさ、あれこれ思いあぐねる小心さ、そんないじましさを自嘲するおかしさ。白居易の特質を安定感とすれば、韓愈の詩の魅力は逆に座りの悪さにあると言えるだろう。そこに人間味に富んだ戸惑い、しくじりが生まれ、巧まざる諧謔が伴う。こうした韓愈の特質は、これまでさほど注意されなかったと思う。文のみならず詩においても韓愈はもっと読まれるべきだというのが、本書を編むゆえんである。・・・わたしたちが心がけたのは、単なる日本語への置き換えに終わらず、文学作品としての面貌を捉え、伝えることである。詩を構成する語、句はそれぞれどのようなふくらみをもつのか、文脈の中でいかなる役割を果たしているのか。また一篇の詩は韓愈の文学のなかで、あるいは文学史のなかでいかに位置づけられるのか。こうした目標を掲げながらも、実際にはそこに到達するのは容易でないが、少なくともそれを意識することで、いくらか前に進むことができればと願う。(本書「はじめに」より)

 

編者

川合康三/緑川英樹/好川聡

執筆者

愛甲弘志/浅見洋二/伊﨑孝幸/稲垣裕史/乾源俊/齋藤茂/鈴木達明/谷口高志/谷口匡/中木愛/二宮美那子

 

はじめに(川合康三)

韓愈集版本・注釈概説(緑川英樹)

韓愈年譜 大暦三~永貞元年(齋藤茂)

関係地図(鈴木達明)

A5判函入 514頁 2015年4月発行 ISBN 978-4-87636-396-4

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中国詩跡事典―漢詩の歌枕

植木久行編

中国の風土に刻まれた詩心の在り処を訪ねて、歴代詠み継がれた名所の魅力を探る詩歌の地誌。

名詩のふるさとへの楽しい旅。

詩に詠まれた中国の代表的詩跡三百六十五を選び、漢詩を鑑賞しつつ解説する。

詩跡とは、長い文学の伝統をもつ中国のなかで、最高の文芸様式―詩歌によって生み出された、重要な文学空間を表す術語である。それは、単なる地名ではなく、長い間詠みつがれ、愛唱・流布される詩歌を通して著名になって、ある特定の詩情やイメージを豊かにたたえる、各地の具体的な名所(名どころ)をいう。詩跡は、単なる「名勝」(山水自然の美で有名な土地)や「古跡」(歴史上有名な場所、歴史的な人物や事件に関わる土地)とは本質的に異なる、詩歌を主体とした概念である。歴代の詩人たちに詠みつがれて、次々と新しい変奏を積み重ね、詩歌の創造に点火して、表現の核となる力をたたえた地名(明確な古典詩語)が、「詩跡」なのである。(「詩跡概説」より)

 

執筆者(五十音順)

植木久行/大立智砂子/紺野達也/佐藤浩一/住谷孝之/土谷彰男/許山秀樹/長谷部剛/松浦史子/丸井憲/矢田博士/渡辺れい子

 

詩跡概説(植木久行)

詩人小伝(丸井憲)

詩跡参考地図

年表

作者別詩題索引/詩跡関連総合索引

A5判 634頁 2015年3月発行 ISBN 978-4-87636-393-3

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