研文選書【中国史】
費 孝通 著/小島晋治 他 訳
本書は主に、1936、57、80年の 3回にわたって私が開弦弓村でおこなった現地調査による研究成果をまとめたものから成っている・・・1936年はまさに抗日戦争直前の年であり、1957 年は農村における集団化が完了した直後の年にあたる。そして1980年は、「文化大革命」(1966~76)の時期になされたさまざまな誤りを是正した中 国共産党第十一期三中全会(1978)において採用された新たな経済政策の成果が現れはじめた年である。中国が過去50年間に経験したような政治的激動と 社会変容の時代において・・・私は開弦弓という一つの小宇宙に映し出された社会変容のさまざまな過程を直接目撃し、それを記録することができたのである。 (本書「序文」より)
本書を日本の読者に広く紹介したいと思い立った理由は、断片的な情報や、余りに一般的な理論的分析だ けでは容易に理解できない中国民衆、とりわけ農民の生ける姿、その生活の総体、彼らがとり結ぶ諸関係の網の目、その変化と不変化の位相が非常に具体的にと らえられていると考えたからである。もちろん大きな地域的多様性をもつ中国のことだから、この江南の一つの水郷の村の精細な描写、分析を以って、中国農村 全体を代表させることはできない。・・・だが私たちはこの中から、中国農村の変化の方向、中国のトップ・リーダーたちのことばを借りて言えば、「中国的社 会主義」下の農村の未来像の一端を垣間見ることができるように思われる。(本書「訳者解説」より)
4・6判 352頁 1985年12月発行 ISBN978-4-87636-060-4
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小倉芳彦・小島晋治 監訳
中国を代表する歴史家顧頡剛が初学者に向けてやさしく語った中国学概論を整理。中国の史書、経学・漢学・史料学と考古学の結合など十一のテーマを厳選し、独自の見解も盛り込んで編んだユニークな入門書。
〈目次〉
中国の史書
二十四史/『史記』/『漢書』『後漢書』/史書続談
雑史
漢朝の雑史/六朝の雑史/唐朝の雑史/宋代の雑史/元代の雑史/明代の雑史/清朝の雑史
経学・漢学
清代における古学の整理―考証学
史料学と考古学の結合
中国古代社会の概要
「中国」、「中華民族」の起源
中国の文学史概観
中国宗教史の概略
中国哲学史の概略
中国歴代の首都と北京小史
原注/後記(何啓君)/修訂再版後記(何啓君)/校訂後記(王煦)
解説(小倉芳彦)/解説補記―重版に際して(小倉芳彦)
4・6判 266頁 1987年1月発行 ISBN4-87636-071-5
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金 観濤・劉 青峰 著/若林 正丈・村田 雄二郎 訳
社会構造の分析から始め、サイバネティックス、システム理論の方法を大胆に用いて、中国二〇〇〇年の歴史をマクロに見直し、中国学術界に大きな反響を巻き起こした著作「在歴史的表象背後」の全訳。
〈目次〉
第一章 中国封建社会の宗法一体化構造
社会組織の新しい研究視角/儒生、コミュニケーション手段、そして一体化構造/重要なる調節機能/構造の異なる二つの封建社会/一対の同型構造体―宗法的家族と国家組織/脆性と強制御/歴史の印影
第二章 調節機能の喪失―組織攪乱力の増大
セレンディップ作用と組織攪乱力/官僚政治の構造―皇帝権力の増幅と権力のピラミッド/土地兼併―経済構造における組織攪乱力/官僚、悪覇地主の横行―合流する組織攪乱力
第三章 大動乱と社会の崩壊
変法効果逓減の法則/搾取の増幅効果/ネズミ、堤防、洪水/組織攪乱力と農民反乱の激烈度
第四章 特異な修復メカニズム
大動乱の調節作用―組織攪乱力の掃蕩/新王朝の安定性と組織攪乱力の残存度との関係/第一の修復鋳型―宗法同型構造体の作用/第二の修復鋳型―儒家の国家学説と一体化
第五章 周期的動乱と停滞性―超安定システム
欹器と社会変動のメカニズム/萌芽未結合の結果―資本の本源的蓄積の中断/王朝崩壊前の「偽資本主義」の出現/脆性瓦解とその悲劇的結末/永遠の萌芽
第六章 攪乱、衝撃と準安定構造
魏晋南北朝期における一体化調節機能の喪失/大統一の分裂、貴族化、九品中正制および荘園経済の発展/準安定構造と一体化再建の過程/超安定システムの外来の衝撃に対する反応/中国の歴史への新しい見かた
訳者解題(村田雄二郎)
4・6判 210頁 1987年5月発行 ISBN4-87636-074-X
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費 孝通 著/大里 浩秋・並木 頼寿 訳
経済的にかなり発達した江蘇省の村々を、農業体制の改革を行なっていた時期に調査した農村経済の歴史的な記録。「小城鎮四記」と「江村五〇年」の邦訳。「中国農村の細密画」の姉妹篇。
解説(阪本楠彦)/費孝通小伝(大里浩秋)
・・・ この『四記』は地域的には、江蘇省のほぼ是全域を含み、時間の点では、1983年から1984年の2年間にわたる。この地域は中国国内で経済的にかなり発 達した地域であり、この時期はまた中国が農業体制の改革を行なっていた時期、すなわち生産請負責任制を行なって成功を収め、郷鎮企業が急速に発展していた 時期にあたる。私のこの『四記』は、このような地域の、このような時期における農村経済の歴史的な記録であると言ってもよい。(本書「日本語版序文」よ り)
4・6判 268頁 1988年5月発行 ISBN4-87636-080-4
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安井 三吉 著
〈目次〉
序章 抗日戦争研究と盧溝橋事件
抗日戦争研究/八年抗戦と一五年戦争/盧溝橋事件―日本の見方・中国の見方
第1章 華北事変
親善外交と大連会議/二つの協定/宋哲元の登場/冀東防共白治政府/冀察政務委員会
第2章 抗日民族統一戦線
上層統一戦線/宋哲元と抗日民衆運動
第3章 山雨欲来風満楼
支那駐屯軍の増強/豊台事件/支那駐屯軍秋季大演習/二つの作戦計画
第4章 盧溝橋事件
劇化する演習/「第一発」と「兵一名行方不明」/盧溝橋―豊台―北平/牟田口聯隊長の決断/七月八日午前五時三〇分
第5章 「不拡大」の名のもとに
停戦と増派/平津戦役/東京と北平
第6章 全面抗戦への道
廬山の蒋介石/軍事機関長官会報/盧溝橋事件と中国共産党
終章
付録 支那駐屯軍と第二九軍の編成/盧溝橋事件に関する回想録と証言
4・6判 346頁 1993年9月発行 ISBN4-87636-113-4
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小島晋司著
〈目次より〉
太平天国研究と現代中国
太平天国運動の母体―拝上帝会
拝上帝教、拝上帝会と客家人の関係―一つの試論
太平天国挙兵の経過とその年代―一八五一年ではなく一八五〇年である
初期太平天国兵士十名の供述書―PUBLIC OFFICE OF LONDON所蔵史料
太平天国運動の特質―ドイツ農民戦争と比較して
一八世紀末~一九世紀中葉の民間宗教、民衆運動の思想―日本と中国
平均主義の歴史的性格とその社会的基盤
太平天国の対外観念の変化―変相の華夷思想から民族主義の萌芽へ
リンドレーの墓
魯迅と「阿長と『山海経』」をめぐって―保姆から聞いた「長老」(太平天国)の話
三たび太平天国討論会に参加して
4。6判 256頁 1993年11月発行 ISBN4-87636-115-0
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山極 晃 著
序章
一九四〇年代の米中関係/対立の時代/中国問題の国内政治化
第一章 アメリカにおける中国政策論争―一九四一年~一九七二年
大戦中の対立/大戦後の中国政策をめぐる論争/マッカーシーの登場/朝鮮戦争と二つの聴聞会/アイク・ダレス時代/ケネディからジョンソンへ/ジョンソンからニクソンへ
第二章 第二次大戦中の米中関係
アメリカの基本戦略/政府諸部門の対中態度/中国情勢の悪化/外交官の情勢分析と政策提案/本国政府の対応/スティルウェル解任問題/ハーレー政策と外交官たち/アチソン提案をめぐって
第三章 アメリカ軍事視察団の延安訪問
視察団の派遣/中共側の態度/アメリカ側の観察結果
第四章 中国共産党の反米路線の確立過程
中国共産党の国際情勢観/太平洋戦争勃発後の対米態度/友好関係の発展/ハーレー政策と中国共産党/抗日戦争勝利後の情勢と中国共産党の政策/反米路線の明確化/反米路線の確立とその構造
第五章 一九四八年中国援助法の成立過程
問題と視角/中国政策の幅/中国情勢の悪化と中国援助論のたかまり/特別議会におけるヨーロッパ中間援助法と中国援助問題/一九四八年対中国援助法の成立
第六章 トルーマン政権の台湾政策
トルーマンの台湾「不干渉政策」/台湾政策の動揺/台湾海峡「中立化政策」への転換
第七章 ジョン・S・サーヴィスの半生の活動
「マッカーシー旋風」とアジア政策/サーヴィスの経歴/サービスの中国分析/中共地区の観察/ハーレーとの対立/「不忠誠」よばわりとの対立
第八章 米中大使級会談の意義
中国の平和五原則提案の波紋/ジュネーブでの米中会談/転機としての台湾海峡危機/ワルシャワでの米中会談/新提案の意味/米中関係打開の可能性
第九章 アメラシア事件とアメリカの中国政策
事件の経過/アメラシア事件の反響/マッカーシーの登場とアメラシア事件/『アメラシア文書』の発表
第十章 米中関係の転換
ニクソン政権の新中国政策/中国側の動き/大使級会談の再開/カンボジア侵攻と米中交渉の中断/高級会談への合意/政策転換と中国/キッシンジャー特使の秘密訪中/ニクソン訪中と上海コミュニケ
4・6判 390頁 1997年4月発行 ISBN4-87636-146-0
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安井 三吉 著
柳条湖事件と盧溝橋事件との連続性を中央政府や軍中央レベルでなく華北の現地での当事者たちの動きに即して分析する。
〈目次〉
序 日中戦争への関心/新しい研究動向/若手研究者の台頭/十五年戦争論をめぐって
Ⅰ 柳条湖事件から華北分離工作へ
1 柳条湖事件と華北問題
石原完爾の中国占領構想/柳条湖事件の受けとめ方/「満蒙」と華北/天津事件/「内蒙古工作」
2 熱河作戦と華北問題
「張学良政権」/支那駐屯軍の策動/朝陽寺事件/山海関事件/熱河作戦/「北支施策」/内モンゴル問題/停戦に向けて/塘沽停戦協定
3 深まる華北の矛盾
北平政務整理委員会/善後交渉/内モンゴルと福建/華北武力占領地統治計画/華北経済調査/「敵か?友か?」/駐華武官会議と三省課長会議/一九三五年の華北
Ⅱ 盧溝橋事件をめぐって
4 盧溝橋事件再考―中国における「日本軍計画」説をめぐって
盧溝橋事件の範囲と問題群/「計画」説とは/「中国軍計画」説/「日本軍計画」説/曲家源氏の「日本軍計画」説/盧溝橋「奇襲計画」と「謀略」/「第一発」と「兵一名行方不明」/「第一発」から軍事衝突へ/曲家源氏の反論について
5 盧溝橋事件に関するいわゆる「中国共産党計画」説―坂本夏男『盧溝橋事件勃発についての一検証』によせて
盧溝橋事件の「発端」について/いわゆる「中国共産党」説について/二つの修正
6 盧溝橋事件の思い出―長沢連治氏に聞く
4・6判 312頁 2003年11月発行 ISBN4-87636-225-4
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堀 敏一 著
貧乏人から身を起こし、漢帝国を成立させるまでの劉邦とその部下たちの活躍を、学問的レベルを保ちつつ平易に活写する。
〈目次〉
一 亭長時代の劉邦
劉邦はどんな人か/亭とは何か/秦末・漢初の地方政治/亭長としての劉邦/劉邦、群盗になる
二 民間勢力の蜂起と秦帝国の打倒
陳勝・呉広が旗揚げする/劉邦が挙兵する/項梁・項羽も挙兵する/項羽・反乱軍の指揮者となる/劉邦、関中へ進撃する/劉邦、関中に入る―法三章/鴻門の会/項羽、咸陽を屠る
三 劉邦と項羽の天下争奪
項羽の天下配分策/劉邦の東進と漢帝国の萌芽/劉邦と項羽の決戦はじまる/滎陽・成皋の攻防/韓信の活動/広武山での対決/劉邦、和議を裏切る/垓下の歌
四 漢帝国の経営―皇帝となった劉邦
劉邦の皇帝即位/皇帝としての儀式と教養/国都の選定/功臣たちの処遇―列功/功臣たちの処遇―諸侯王/異姓諸侯王の反乱と廃除/劉氏の非ざれば王たらず/匈奴との戦争と平和/法体制の整備
五 劉邦の死前後
大風の歌/劉邦の死/蕭何以後の宰相と黄老思想/後継問題と呂后の復讐/呂氏政権と劉邦功臣の決起
4・6判 234頁 2004年4月発行 ISBN4-87636-230-0
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大木 康 著
明末の書籍出版の変化・実体とその背景を考察し、出版の流布が学術・文化や社会の方向をいかに規定したかを検証する。
第一章 明末江南における書籍出版の状況
出版点数の増加/出版地の変化/出版形態の変化―官刻・家刻・坊刻
第二章 明末江南における出版業隆盛の背景
技術の進歩/原材料の供給と刻工/書物の需要/書物の価格
第三章 明末江南における出版文化の諸相―初期大衆伝達社会の成立
李卓吾思想の流行/華亭董家焼き打ち事件/東林と復社/明清交代期の情報伝達
第四章 明末江南の出版人
陳継儒/馮夢龍
第五章 『儒林外史』に見る出版活動
士人と出版/八股の士たち/詩文の士たち/再び八股の士たち
訳注/参考文献案内/訳者あとがき/術後・事項索引/書名・人名索引
4・6判 274頁 2004年5月発行 ISBN4-87636-231-9
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菊地 章太 著
十八世紀から二十世紀の初めにかけていくつかの部門を開拓してきたフランス東洋学の成り立ちをフランス文化の歩みの中でたどる。新知見に満ち、軽妙な筆致と多数の図版で、楽しく読める学術史。
〈目次〉
ボスフォラスのかなたへ―オリエント急行とアジアの夢
ローマがくしゃみをするとパリが風邪をひいて東洋学が始まる―イエズス会士の中国研究
東の西洋かぶれと西の東洋かぶれ―絶対王政下の中国地図作製
ペルシアがだめなら中国があるさ―啓蒙主義とイラン学のあけぼの
インドのかたきをエジプトで―ナポレオン遠征とオリエント研究
ポリグリットの花園―サンスクリット研究の歩み
こんどはパリがくしゃみをするとローマが風邪をひいて死海写本が見つかる―パレスティナ研究とフランスの威信
ピレネーの向こうのオリエント―イスラム研究が意味するもの
光は西からか?―ガンダーラとインドをめぐる論争
ソシュールのもうひとつの遺産―中央アジア研究から比較神話学まで
探検はどろぼうの始まり―アッシリア学と敦煌研究にみる英仏対決
シベリア鉄道から満鉄に乗り換えて―フランスの古典研究がめざすもの
4・6判 192頁 2007年9月発行 ISBN978-4-87636-274-5
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相田 洋著
茶館、宿屋、橋、義と社などを、空間や時間に印を入れて、内と外を区切る境界的空間として取り上げ、また、無頼、くノ一と幽霊女、用心棒、羅教を異人の世界という観点から分析したユニークな中国史。
〈目次〉
第一部 境界の世界
境界の原理―義と社
義について/社と義
境界としての宿屋―逆旅の怪
中国の宿屋/さまざまな宿屋―乞食宿・公事宿/黒店と鬼店
境界としての茶館
喫茶の普及と茶館/茶館の構造と種類/境界としての茶館
橋と境界
橋と行政、橋と民間の公共事業/橋と市/橋と異人
第二部 異人の世界
異人としての無頼―唐宋時代の無頼
無頼について/唐宋時代の無頼について
くノ一と幽霊女―侠女と幽女
侠女と軟弱男/幽女と軽薄男
中国の用心棒―鏢師・鏢客
鏢師・鏢客の起源/鏢局の成立/清末・民国初期の鏢局/縹局の終焉
水運業者の宗教・羅教
羅教と羅祖/羅教の思想/明末における羅教の展開/羅教から青帮へ
コラム
北京の下宿屋/キン・フー映画と宿屋(客桟)/支那通/現代中国の冥婚事件/中国武経映画の女神たち/武経小説と鏢師・鏢局/映画「グリーン・デスティニー」と鏢師・鏢局
4・6判 398頁 2009年9月発行 ISBN978-4-87636-302-5
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理論的提言が底流にある文章を「Ⅰ『東アジア近代』という概念」に、人物史から中国近代史を著述した「Ⅱ『近代』を生きた人々」、また民衆の視点から中国社会の深奥に息づく感覚に着目して描いた「Ⅲ 民衆を見つめて」、の三部で構成する。
〈目次〉
序文(小島晋治)
Ⅰ「東アジア近代」という概念 「東アジア」概念について考える/近代中国における王朝体制の崩壊と国家の「統一」について/中国近代の再統合と文明圏の主張/近代の日本と「アジア主義」/中国の近代の歴史像構成と帝国主義/中国の歴史における二〇世紀の意義/連綿と続く「統一帝国」の歴史
Ⅱ「近代」を生きた人々 反清復明を叫んで―天地会・哥老会・三合会/洪門の掟―天地会の儀式・規約・儀礼/ 洪秀全―地上天国の幻想/李鴻章と「文明開化」―若尾正昭著『清朝・大官の幻影』を読んで/評伝 悲劇の提督丁汝昌/康有為の変法自強運動―中国近代の苦痛/中華の発見者/中国の統合と毛沢東/中国の大家長
Ⅲ 民衆を見つめて 農民反乱と「平均主義」/台湾北港の媽祖廟について/一九八五年五月民主化運動と「動 乱」鎮圧/広西瞥見/広東、茂名の旅/秘密結社国際シンポジウムに参加して/ペルシャ湾の戦争と中国、日本/バス事故の中国/酷暑のなかの大学入試/聯想 版のIBMパソコン/サッカーと歴史認識/チベット騒乱と四川大地震―北京五輪をひかえて/中国・現代・民衆―あとがきにかえて
本書刊行の経緯(岸本美緒・坂元ひろ子・原宗子)
4・6判 328頁
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岸本美緒 著
時代区分という大きな問題や、「名刺」の利用を通じての社会模様の考察など、一般読者を考慮して書かれた作品を収録。
<目次>
Ⅰ |
歴史変動と時代区分 |
Ⅱ |
身分と風俗 |
Ⅲ |
歴史のなかの風 |
4・6判 310頁
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岸本美緒 著
市場と貨幣・国家と社会秩序・驚く歴史家、驚く読者の三部構成で、市場論と暴力論を中心にまとめる。
<目次>
Ⅰ |
市場と貨幣 |
Ⅱ |
国家と社会秩序 |
Ⅲ |
驚く歴史家、驚く読者 |
4・6判 348頁
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並木頼寿著
秀徹した史眼と温かいまなざしで日中の近現代を問いつづけた歴史家による教科書問題と明治期日本人の中国観を中心とした作品を精選。
<目次>
まえがき 大里浩秋
Ⅰ |
明治期日本人の中国観 |
Ⅱ |
日中間教科書問題の諸相 |
Ⅲ |
中国研究を見つめて |
あとがき 杉山文彦 |
4・6判 320頁
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石島紀之著
日中戦争においては、終始、日本は加害の立場にあり、中国は被害の立場にあったのである。日中戦争のこの基本的性格について、読者のみなさんが本書によっ て理解を深めてくださることを願っている。・・・しかし中国は広大で、そこに住む人びとは多様であり、本書は日中戦争期の中国の民衆の一部分について書い たにすぎない。今後、研究が進展して、当該時期の中国の民衆の実相と心性についての全体像が描かれること、さらに中国近現代の基層社会についての研究が進 展することを期待している。(本書「あとがき」より)
第一部 飢えとの戦い
戦場とその隣接地域
浙江省―くりかえされる戦争の被害/河南省―大飢饉
日本占領地域・汪精衛政権支配地域―上海
上海戦の開始からアジア太平洋戦争勃発まで/アジア太平洋戦争勃発後
国民党政府統治区―重慶と成都
共産党支配下の抗日根拠地
民衆の負担の増加/自然災害との戦い
第二部 ナショナリズムと社会改革―太行根拠地の社会と民衆
村と農民/太行地区の土地問題
抗日根拠地の建設と民衆
抗日根拠地の建設/民衆運動の急進化とその是正
抗日根拠地の危機
百団大戦と日本軍の反撃/晋冀魯豫辺区の成立/日本軍の治安強化運動と根拠地の縮小
危機の克服と根拠地の拡大
一九四二年の民衆運動/民衆運動の新たな展開/一九四四年から四五年の民衆運動
4・6判 272頁 2014年7月発行 ISBN978-4-87636-380-3
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研文選書【130】 飯島 渉著
刺激的な表題作はじめ中国や東アジアの歴史研究に関わる地域史への課題、「歴史疫学」からコロナ禍にまで言及した医療史の課題、そして身近な話題を綴った歴史学の授業の三部で構成された歴史随想録。
「中国史」が亡びるとき―地域史から医療史へ 〈目 次〉
はじめに
Ⅰ 地域史の課題―中国・東アジアの歴史研究
一 「中国史」が亡びるとき
二 「「中国史」が亡びるとき」その後
三 中国その特殊性と普遍性
四 「日本と中国は漢字によって隔てられている」
五 Yさんと中国の現代史
Ⅱ 医療史の課題―感染症の歴史学
一 「歴史疫学」の世界
二 『レイテ戦記』と日本住血吸虫症
三 レイテ島の日本住血吸虫症資料の修復をめぐって
四 植民地主義と医学
五 レッスンとしてのクルーズ船への検疫
六 コロナ禍の中で―長崎への旅
Ⅲ 歴史学の授業
一 外国で「世界史」を語る
二 新聞を読む
三 旅に想う
四 授業の経験から――特集 東アジアの情勢を考える
ー日中間の尖閣諸島問題を中心にー
五 その時、私は日本にいなかった
六 「你是中国人嗎(あなたは中国人ですか)?」
おわりに
四六判上製 203ページ 2020年10月刊 ISBN978-4-87636-457-2
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岸本美緒著
礼教・契約・生存 明清史論集3 〈目 次〉
はしがき
Ⅰ 契約文書研究の動向
明清契約文書
明清契約文書研究の動向―一九九〇年以降を中心に―
Ⅱ 契約・紛争・裁判
明清時代における「找価回贖」問題
土地市場と「找価回贖」問題―宋代から清代の長期的動向―
妻をうってはいけないか?―明清時代の売妻・典妻慣行―
清代中期の飢餓救済と贖地問題
礼教・契約・生存―明清民事裁判における衡平原則―
Ⅲ 史料に触れる・本を読む
貴州の山林契約文書と徽州の山林契約文書
【書評】ソマー著
『清朝中国における一妻多夫と売妻―生存戦略と司法的干渉』
【書評】ランズマイヤー著
『売られた人々―華北における人身売買業者と家庭生活』
東京大学東洋文化研究所契約文書研究会の三〇年
四六判上製 440ページ 2020年12月刊 ISBN978-4-87636-460-2
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岸本美緒著
史学史管見 明清史論集4 目 次
はしがき
Ⅰ 中国社会論の系譜
伝統中国の経済秩序をどのようにモデル化するか
ー村松祐次の中国経済論を中心にー
中国中間団体論の系譜
Ⅱ 現代歴史学との対話
比較国制史研究と中国社会像
グローバル・ヒストリー論と「カリフォルニア学派」
東アジア史の「パラダイム転換」をめぐって
中国史研究におけるアクチュアリティとリアリティ
二宮史学における文体と比喩
近代東アジアの歴史叙述における「正史」
Ⅲ 明清史研究の現在
【書評】余英時(森紀子訳)『中国近世の宗教倫理と商人精神』
【書評】エシェリック&ランキン編
『中国の地方エリートと支配の諸形態』
【書評】濱島敦俊『総管信仰ー近世江南農村社会と民間信仰―』
【書評】岩井茂樹『中国近世財政史の研究』
【書評】山本英史『清代中国の地域支配』
【書評】谷井陽子『八旗制度の研究』
・杉山清彦『大清帝国の形成と八旗制』
四六判上製 354ページ 2021年11月刊 ISBN978-4-87636-464-0
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