中国文学【唐代】

王維『輞川集』の研究―詩歌・園林・絵画の融合―

                           紺野達也著

 

      王維『輞川集』の研究―詩歌・園林・絵画の融合ー  目 次

 

 序 章

  

 「終南別業」詩について―‶輞川″に連なるものとして

 「待儲光羲不至」詩について

   ―初盛唐期の園林における詩人の交遊を中心に

  王維の輞川諸詠における田園の風景

 『輞川集』における王維の風景認識―‶遊止″の典故をてがかりに

 

 唐詩における「詩人」と「畫家」―王維詩を手がかりに

 唐・北宋期における王維の畫業への評価―蘇軾「畫中有詩」に至るまで

 

 唐代宗による「天下文宗」評―王縉の『王維集』献上との関係を中心に

 『輞川集』と「輞川図」の唐宋期における評価の変遷

 劉辰翁の『輞川集』評―「漸可語禅」を中心に

 王維『輞川集』に対する顧起経の注釈

 趙殿成『王右丞集箋注』における『輞川集』

 結 語/あとがき/初出一覧/索 引

 

 A5判上製 332ページ 2024年1月刊 ISBN978-4-87636-483-1

 

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中国古典文学の存亡  研文選書【133】

                         川合康三著

 

      『中国古典文学の存亡』 目 次

 

中国古典文学の存亡/中国における古典/読むということ/「もの」と「こと」を越えて/東と西/十代の読書―併せて齋藤謙三先生のこと/中国の詩/こんな研究、あったらいいな/「長恨歌」遍歴

杜甫のまわりのちいさな生き物たち/詩と世界―表現者=杜甫を中心に/日本の文学と中国の文学/山上憶良と中国の詩/詩人の旧居/鈴木虎雄『中国戦乱詩』学術文庫まえがき/小川環樹『唐詩概説』解説

中秋節の文旦―台湾に暮らす(一)/重層する風景―台湾に暮らす(二)/重層する言葉―台湾に暮らす(三)/南の島の涼み台

柯慶明さんの思い出/古と今、そして東と西―柯慶明を語る/最初の先生/芳賀紀雄さんを悼む

〔インタビュー〕道 標(インタビュアー 赤井益久)

初出一覧/あとがき―いくらか長めの

 

 四六判上製 291ページ 2023年9月刊 ISBN978-4-87636-480-0

 

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杜詩雙聲疊韻研究―聯綿詩を超えて

                             丸井 憲著

 

杜甫の詩には、雙聲疊韻がたくみに使われている。これは事実であるが、雙聲疊韻が詩のなかに使われるのは杜甫に始まるものではなく、杜甫の詩よりはるか昔の詩文のなかにも多くの用例を見いだすことができる。杜甫はこの雙聲疊韻という古くからある修辞に、新たな命を吹き込むことに成功した詩人でもあり、杜甫を経て、雙聲疊韻は新たな詩のことばとして蘇生した。杜甫なかりせば、こうしたことは起こらなかったかもしれない。

……杜甫の詩に見られる雙聲疊韻のもろもろの用法は、古典的な用語が本来的に備えている対偶性、韻律性といった諸要素を、それ以外のことばの上にも見いだし、もしくは新たなことばを作りだし、そしてそれらを詩のことばへと昇華させる試みであったということができよう。

……卑近で散文的なことばであっても、聲母や韻母が近似した二字語であれば、対偶性と韻律性の助けを借りることで、雙聲疊韻に準ずるものとなしうることに、杜甫はどこかで気づいたのである。      (本書 緒論より)

 

 

   杜詩雙聲疊韻研究―聯綿語を超えて 〈目 次〉

 

 緒 論

 第一章 「艱難昧生理、飄泊到如今」―杜詩雙聲疊韻研究対小考―

 第二章 応用された『文選』の理―杜詩雙聲畳韻研究対新考―

 第三章 雙聲疊韻対の理論と実際―唐詩対偶論の一環として―

 第四章 杜甫の五古紀行詩における雙聲疊韻の配列について

     ―謝霊運の遊覧・行旅の詩と比較しつつ―

 第五章 杜甫の七言古詩における雙聲疊韻の配列について

     ―鮑照「擬行路難十八首」と比較しつつ―

     餘説:「虚無」考―疊韻の詩語として

 第六章 周春と「乾嘉の學」

     ―銭大听・盧文弨との交遊・論争を接点として―

 第七章 周春著『杜詩雙聲疊韻譜括略』成立の経緯

                    および諸術語の定義(精度編)

 第八章 周春による杜詩雙聲語の判定基準について―慧琳音を参考に―

 第九章 周春による杜詩疊韻語の判定基準について―慧琳音を参考に―

 第十章 周春著『杜詩雙聲疊韻譜括略』における諸術語の定義(頻度編)

 あとがきに代えて/初出一覧/雙聲疊韻索引

 

 A5判上製 338ページ 2023年1月刊 ISBN978-4-87636-474-9 

 

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中国の詩学

                            川合康三著

 《第17回 立命館白川静記念東洋文字文化賞 大賞受賞》

 

 詩人論でも通史でもなく、中国の詩全体を見通し、24のテーマを厳選し、詩の本質に迫る。

 

      中国の詩学 目 次

 

第一章 「詩」とは何か、「詩学」とは何か

     はじめに/1 個別と全体/2 文学批評と文学理論/

     3 批評と評価/4 文学とは何か/ 5 「文学」という語/

     6 狭義の「文学」/7 詩とは何か/8 「詩学」とは何か/

       9  詩と感性

第二章 伝統の一貫性

     1 歴史の長さ/2 詩の一貫性/3 時代とジャンル/

     4 内容の分類/5 『詩経』という規範/6  古今一体感/

                 7 継承と創新

第三章 文学の二次的意義

     1 二次的営為/2 徳と功/3 文の序列/4  文以載道

第四章 詩の道義性

                1 作品の道義性/2 寄託/3 作者の道義性/4 文人の不品行

第五章 詩の政治性

     1 『詩経』の美刺/2 詩人と政治家/

                 3 政治に関わるジャンル/4 経国の大業

第六章 詩の社会性

     1 詩が世に開かれる/2 集団のなかで作られる詩―聯句/

     3 文学集団/4 文人の交遊/5  科挙/6 詩の実用性

第七章 詩を担う人々―文化共同体

     1 文学を支える共同体/2 士大夫の文学/3 共同体の慰撫/

     4 古今一体/5 古と今/6 時代差の希薄/

     7 テーマの継承と相違ー易水送別/8 庶民の文芸/

                9 庶から士へ

第八章 規範の形成と展開

     1 規範への志向/2 語彙の規範/3 内容の規範/

     4 規範の変容/5 規範の逸脱

第九章 文学史と文学史観

     1 「中国文学史」の誕生/2 「文学史」以前の文学史/

     3 文学史観の違い/4  時代の均一化/5 文学史の資料/

     6 受容の一例—杜甫の場合

第十章 恋愛の文学

     1 恋愛文学の不毛/2 悼亡詩/3 閨怨詩/4 艶詩/

                 5 情詩の応酬/6 民間の恋のうた/7 艶情の文学/

                 8 李商隠の恋愛詩

第十一章 友情の文学

       1 恋愛と友情/2 友情に関する言説と物語/

     3 李白と杜甫/4 恋愛と友情

第十二章 女たちの文芸

     1 女性詩人/2 不幸な女の物語詩/

     3 不幸ならざる女の物語詩/4 女たちの文芸

第十三章 詩と感情

     1 詩の発生/2 情生於文/3 情を造る

第十四章 詩と景物

     1 景と情/2 人による景の違い―王維と裴迪/

     3 叙景の進展/4 風景の発見

第十五章 詩と修辞

     1  言葉と修辞/2 修辞の肯定/3 修辞の否定/4 比喩/

                 5 典故/6 踏襲・模倣・剽窃/7  創新の主張

第十六章 文学の動機

     1 なぜ書くか/2 時を繋ぎ止める/3 発憤著書/

     4 もう一つの動機―曹丕

第十七章 集団から個別へ

     1 詩の展開/2 楽府・古詩十九首・建安五言詩/

     3 陶淵明と杜甫/4 個別と普遍

第十八章 詩と事実

     1 詩と史/2 事実の尊重/3 実体験の重視/

     4 事実から興趣へ/5 詩観の転換

第十九章 経験と虚構

     1 経験の詩・虚構の詩/2 経験と見せかけた虚構の詩/

     3 虚構を装う経験の詩

第二十章 可視と不可視

     1 合理的思考/2 杜甫と外界/3 杜甫の「現実」描写/

     4 「慈恩寺塔」詩の可視と不可視

第二十一章 人生の詩・霊感の詩

                1 詩と人生/2 「神助」の詩/3 詩句・詩才を借りる/

     4 夢のなかで得る/ 5 再び「神助」をめぐって/

     6 杜甫の「神助」「有神」

第二十二章 詩と諧謔

     1 中国の詩と「おかしみ」/2 自嘲/3 陶淵明の諧謔/

     4 杜甫の諧謔/5 韓愈の諧謔 

第二十三章 作者・話者・読者

     1 読者/2 話者/3 読者による創出/

     4 読者による読みの違い―韓愈「読東方朔雑事」詩をめぐって

第二十四章 詩の存在意義

     1 勤勉/2 怠惰/3 「拙」を守る/4 詩の意義

あとがき/索 引

 

A5判上製貼函入 640ページ 2022年5月刊 ISBN978-4-87636-470-1

 

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唐宋詩詞叢考

                          宇野直人著

 

      唐宋詩詞叢考 目次抄

 

   例  言

  Ⅰ 論考篇

   第一章 阮籍「詠懷詩」の景物の象徴性について

   第二章 江陵の悪夢―李白「早に白帝城を発す」再審

   第三章 李白「採蓮の曲」の複合的構想について

   第四章 杜甫の色彩表現の象徴性について

   第五章 「此外」攷―杜甫「江村」詩尾聯釈疑

   第六章 林和靖「山園の小梅」詩の鳥と蝶について

   第七章 柳永の懐古詩に見える構成意識について

   第八章 歴代七夕詩の変容と柳永の「二郎神」詞

   第九章 柳永の詠物詞に見える創作姿勢について

   第十章 葵花に寄せる誠意—司馬光の場合

   第十一章 詩作活動から見た朱子の陶淵明観

   第十二章 王士禛「秋柳」詩の重層的発想について

  Ⅱ 小論篇 

   一 形は消えし夢なれや

     ―劉希夷の「白頭を悲しむ翁に代る」とボードレール「腐肉」

   二 白楽天の味覚

   三 柴野栗山の五言律詩「富士山を詠ず」の特色について

   四 鶯の心情

   五 中国学のヒント―日本の漢学の伝統に眼差しを

   六 音読古典学の陥穽

   七 「北山山本先生の墓誌銘」訳注

  Ⅲ 書評篇

   一 深い学殖と手あつい手法

     ―後藤秋正著『東西南北の人―杜甫の詩と詩語』

   二 杜甫像の再検討を迫る労作

     ―谷口眞由実著『杜甫の詩的葛藤と社会意識』

   三 魂の対話の記録―河上肇著・一海知義校訂『陸放翁鑑賞』

   四 満を持しての集大成―村上哲見著『宋詞研究 南宋篇』

  あとがき/人名・引用詩詞索引

 

 A5判上製函入 398ページ  2022年3月刊  ISBN978-4-87636-468-8   

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韓愈詩訳注 第三冊

                 川合康三・緑川英樹・好川 聡編

 

             韓愈詩訳注 第三冊  目 次

 

   凡例

 訳注

短灯檠の歌/士を薦む/秋懐詩 十一首/

青龍寺に遊ぶ 崔大補闕に贈る/崔立之評事に贈る/

区弘の南に帰るを送る/文暢師の北遊を送る/

鬭雞聯句/征蜀聯句/有所思聯句/遣興聯句/剣客の李園に贈る聯句/

侯喜の至る喜び張籍・張徹に贈る/崔立之に贈る/元和聖徳詩 并びに序

夢を記す/三星行/剝啄行/鼾睡を嘲る/

裴十六功曹の府西の駅を巡り塗中より寄せらるるに酬ゆ/

孟東野 子を失う 并びに序/莎柵聯句/唐衢に贈る/祖席/

陸渾山火 皇甫湜に和し其の韻を用う/皇甫湜に寄す/

崔十六少府の伊陽を摂して詩及び書を以て投ぜらる 因りて酬ゆ 三十韻

李翺を送る/虞部盧四汀の翰林銭七徽の赤藤杖歌に酬ゆるに和す/

侯参謀の河中の幕に赴くを送る/東都にて春に遇う/春に感ず 五首/

竇牟・韋執中と同に劉尊師を尋ねて遇わず/鄭十校理を送る序/

石処士の河陽の幕に赴くを送る/新竹/晩菊/湖南李正字の帰るを送る/

月蝕詩 玉川子の作に効う【附】盧どう「月蝕詩」/

河南府の秀才を燕す/諸進士の精衛石を銜み海を塡むるを作るに学ぶ/

揚之罘を招く 一首

 

聯句という様式とその展開(齋藤 茂)

韓愈年譜(齋藤 茂)

関係地図(鈴木達明)

 

 編者 川合康三/緑川英樹/好川 聡

 執筆者 愛甲弘志/浅見洋二/伊﨑孝幸/稲垣裕史/乾 源俊/          齋藤 茂/鈴木達明/谷口高志/谷口 匡/中木 愛/二宮美那子

 

 A5判上製函入 481ページ 2021年10月刊 ISBN978-4-87636-463-3

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唐代伝奇小説の研究

                            赤井益久著

 

  唐代伝奇小説の研究  〈目次抄〉

 

 まえがき

 第Ⅰ部 伝奇と説話

  第一章 伝奇作者の身分と立場/第二章 伝奇と説話/第三章 唐伝奇における第三人物形象について/第四章 伝奇と筆記-中国小説史上の主題に即して

 第Ⅱ部 志怪の系譜

       第一章 「李章武伝」管見/第二章 「謝小娥伝」札記/第三章 「柳毅伝」演変/第四章 変虎譚の諸相

 第Ⅲ部 恋愛物語

  第一章 「霍小玉伝」校覈/第二章 「鶯鶯伝」における作者の自照性について/第三章 玄宗と楊貴妃の物語を伝えた「場」―「長恨歌」「長恨伝」の背景/第四章 「李娃伝」と物語を支えた人々

 第Ⅳ部 唐代伝奇の新たな地平

  第一章 「杜子春伝」臆説/第二章 「枕中記」校弁/第三章 唐伝奇「崑崙奴」芻議/第四章 「魚服記」の主題

 第Ⅴ部 附 篇

  第一章 「七夕」伝承について/第二章 唐詩に見える「青冢」をめぐって/第三章 日本における唐代小説の研究動向について―一九九七年~二〇〇六年/第四章 わが国における唐代小説の研究動向について―二〇〇七年~二〇一七年/第五章 岡田充博著『唐代小説「板橋三娘子」考』書評

 あとがき/索 引/英文目次/英文要旨/中文目次/中文要旨

 

     A5判上製 530ページ 2021年2月刊 ISBN978-4-87636-461-9

 

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生成する李白像

                           乾 源俊著

   李白の詩人像がどのように形成されたかを、文集序と、詩作品とくに歌辞文学「歌行」を主な材料として考察。李白科挙不応説に対し、制科「高道」挙に応じたことを初めて指摘するなど著者独創の観点から、広く唐玄宗期の宗教・社会思想史上の問題についても言及。

 

                生成する李白像 目 次

 

      凡例/緒言

  序 論 

   第一章 李白文集序の詩人像

    魏顥序と李陽冰の詩人像/李白の自己像/序の詩人像と詩作品

   第二章 楽府と歌行

  本 論

  「楽府論」

   第一章 「蜀道難」本事考

    はじめに/李白のテキスト/罪厳武説考証/まとめと展望

   第二章 「蜀道難」論に寄せて

    読解史/楽府探源/送別歌行/蜀都の像/入蜀行程

   第三章 謫仙人と呼ばれた李白

  「歌行論」

   第四章 初唐七言歌行と李白

    はじめに/初唐七言歌行の叙情/李白における叙情の展開

      /まとめと展望

   第五章 生成する李白像

    はじめに/作品の分類/消滅する都市の夢想/物質と記憶

      /飲酒と蕩尽

   第六章 送別歌行の形成と展開

    はじめに/初唐期/盛唐期 王維/王維の送別詩/王維の送別歌行 

       李白/科挙と道教政策/送別歌行の形成/送別歌行の展開 おわりに

  「伝記論」

   第七章 李白登科考

   結 論

   あとがき/論文初出/引用文献/索引

 

    A5判 485ページ 2020年2月刊 ISBN978-4-87636-452-7 

 

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唐詩の系譜ー名詩の本歌取り 研文選書【128】

                          矢嶋美都子著

  本書は、語句の意味解釈だけでは釈然としない表現のある唐詩(本歌取りをしている詩)の本歌を探す途中で出会った幾多の作品を系譜として整理してみたものです。この系譜から、まず本歌自体が過去の詩を見事に取り入れた名作であること、それを本歌取りした詩からは、当時の詩人たちが本歌の何処を評価し、そこにどのような工夫をして自分らしさを出しているのかよくわかります。……唐詩の名作、名詩に創造された重層的で複雑な世界、修辞の面白さを味わっていただければと願っています。

(本書「はじめに」より)

 

唐詩の系譜ー名詩の本歌取り 〈目次〉

 はじめに

 一 初唐・張九齢の「照鏡見白髪」詩を本歌とする詩

   ー官僚人生の哀歓を詠う詩の系譜

 二 初唐・張九齢の「秋夕望月」詩を本歌とする詩

   ー恋しい人を待つ庭に「青苔」「黄葉」がある情景の系譜

 三 盛唐・王維の「送元二使安西」詩を本歌とする詩

   ー特に親しい友人との別れを惜しむ詩の系譜

 四 盛唐・王維の「九月九日憶山東兄弟」詩を本歌とする詩

   ー「屈折した望郷表現」の系譜

 五 盛唐・王昌齢の「芙蓉楼送辛漸」詩を本歌とする詩の系譜

   ー旅立つ人に伝言を託す構想の送別詩

 六 盛唐・岑参の「磧中作」詩を本歌とする詩の系譜

   ―旅の困難さを砂漠の旅に見立てて詠う詩

 七 盛唐・崔顥の「黄鶴楼」詩を本歌とする詩

   ―名勝の懐古から郷愁を呼び起こす構想の系譜

 八 中唐・元稹の「行宮」詩を本歌とする詩の系譜

   ―玄宗の栄華を懐古する詩

 九 盛唐・李白の「清平調子」其三を本歌とする詩の系譜

   ―美しい楊貴妃が「闌干に倚る」構図の本歌取り

 十 雁に託す望郷表現の系譜

   ―初唐の詩人が開発した南の地で詠った雁の詩

 十一 日本漢詩にみる唐詩の受容(本歌取り?)

 あとがき

 

  四六判 232頁 2018年9月発行 ISBN978-4-87636-439-8

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唐宋詩文論叢 天葩 奇芬を吐く

                           齋藤 茂著

 

 本書は中唐から南宋初期にかけての詩文の新しい動きに関して、韓愈を起点に王十朋まで、数名の文学者に即して論じたものである。個人的な関心に基づいて取り上げた文学者たちではあるが、いずれもすばらしい香りを放つ天井の花に比えられる存在と考え、韓愈の詩句「天葩 奇芬を吐く」を副題に使わせてもらった。堅い論集にはふさわしくないだろうし、もとより本書の内容にはまったくそぐわないが、取り上げた文学者たちに免じてお許しをいただきたい。また附論として、関連する小稿を二篇加えた。(本書「あとがき」より)

 

 唐宋詩文論叢 

  天葩 奇芬を吐く(てんは きふんをはく) 

 〈目 次〉

  韓愈の新しさー序に代えて

      李 觀 論ーもう一人の夭折の才子

  白居易「中和節の頌」について/劉禹錫論

      李商隠詩論ー「牡丹」詩をめぐって

  蘇舜欽と宋風の確立/蘇軾「和陶詩」をめぐってー古人への唱和

  王十朋と韓愈―「和韓詩」を中心に

  〔附論〕唐詩における芍薬の形象

                    楊万里の詩文集『楊文節公集』について

  あとがき/索引(人名・作品名)

 

  A5判 284頁 2018年5月発行 ISBN978-4-87636-436-7

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『王勃集』と王勃文学研究

道坂 昭廣著

初唐四傑の一人、王勃の文学を探求し、さらに日本に伝わる王勃の文集について精査する。

 

Ⅰ 王勃の文学とその周辺

王勃試論―その文学の深淵について/王勃の序/初唐の「序」/王勃・楊烱の陶淵明像/盧照鄰の陶淵明像

Ⅱ 日本伝存『王勃集』の意義

テキストとしての正倉院蔵『王勃集詩序』/王勃佚文中の女性を描く二篇の墓誌/王勃「滕王閣序」中の「勃三尺微命、一介書生」句の解釈/正倉院蔵『王勃詩序』中の「秋日登洪府滕王閣餞別序」/日本に伝わる『王勃集』残巻―その書写の形式と「華」字欠筆が意味すること/『王勃集』の編纂時期―巻三十所収「族翁承烈致祭文」を中心に/王勃南行考―父子同行の可能性について

Ⅲ 日本伝存『王勃集』をめぐる問題

伝橘逸勢筆「詩序切」と上野本『王勃集』の関係/日・中における正倉院蔵「王勃詩序」の発見/日本伝存『王勃集』残巻景印覚書

あとがき/初出一覧/索引

A5判 410頁 2016年12月発行 ISBN978-4-87636-416-9

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韓愈詩訳注 第一冊

川合康三・緑川英樹・好川聡編

韓愈の詩の全作品について解題、校勘、訳、注を施す。銭仲聯『韓昌黎詩繋年集釈』に従って配列し、本冊にはその巻一、巻二を収める。 全五冊 第1回配本。

 

韓 愈というと、散文家としての面がまず想起される。日本では『唐宋八家文』、『文章規範』に収められた作者として、そして中国では何より古文復興を唱え、宋 以後の標準的な散文を導いた先駆者として、散文の領域における韓愈の貢献はいまさら言うまでもない。中唐の文人が一般的にそうであるように、韓愈は詩も文 もひとしく作っているのだが、文に比べると、詩の方はあまり目立たない。・・・なるほど黄庭堅が言うように、またそれを引く陳師道も同調したであろうよう に、韓愈の詩は盛唐詩の達成した詩的成就、定型的な抒情から、はずれている。しかし基準にこだわらず柔軟に読みなおしてみれば、一言でいって韓愈の詩は、 おもしろい。躍動している。古の道を説く道学者とは似てもつかない、人間臭さが満ち溢れている。それは白居易が安定した世界を描出すること、その世界に安 住することを求めたのとは、対極に位置する。何が起きるかわからない危うさ、あれこれ思いあぐねる小心さ、そんないじましさを自嘲するおかしさ。白居易の 特質を安定感とすれば、韓愈の詩の魅力は逆に座りの悪さにあると言えるだろう。そこに人間味に富んだ戸惑い、しくじりが生まれ、巧まざる諧謔が伴う。こう した韓愈の特質は、これまでさほど注意されなかったと思う。文のみならず詩においても韓愈はもっと読まれるべきだというのが、本書を編むゆえんであ る。・・・わたしたちが心がけたのは、単なる日本語への置き換えに終わらず、文学作品としての面貌を捉え、伝えることである。詩を構成する語、句はそれぞ れどのようなふくらみをもつのか、文脈の中でいかなる役割を果たしているのか。また一篇の詩は韓愈の文学のなかで、あるいは文学史のなかでいかに位置づけ られるのか。こうした目標を掲げながらも、実際にはそこに到達するのは容易でないが、少なくともそれを意識することで、いくらか前に進むことができればと 願う。(本書「はじめに」より)

 

編者

川合康三/緑川英樹/好川聡

執筆者

愛甲弘志/浅見洋二/伊﨑孝幸/稲垣裕史/乾源俊/齋藤茂/鈴木達明/谷口高志/谷口匡/中木愛/二宮美那子

 

はじめに(川合康三)

韓愈集版本・注釈概説(緑川英樹)

韓愈年譜 大暦三~永貞元年(齋藤茂)

関係地図(鈴木達明)

A5判函入 514頁 2015年4月発行 ISBN978-4-87636-396-4

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詩聲樸学―中国古典詩用韻の研究

水谷 誠著

数かずの古典詩に用いられた韻字の歴史を、四声体系・換韻・上古韻への希求をキーワードとし、陶淵明・杜甫・白居易・韓愈・蘇軾の作品を通して考察した論文集。

 

序章 韻字から見えてくるものは、何か

Ⅰ 陶淵明

「帰去来辞」の段落分けと換韻に関する一、二の指摘/陶淵明詩の押韻について―附「乞食」押韻覚書/陶淵明詩における破音字・両収字の押韻について

Ⅱ 杜甫

杜 甫はどのような韻書を使ったのか―「刊謬補欠切韻」を一つの指標として/『杜甫詩注』に見える「義従平声、読用去声」について―破音字と近体律をめぐって /杜甫詩の換韻について―音韻的特色を中心に/仇氏の「一頭両脚体」について―杜甫「兵車行」の一換韻をめぐって/「彭衙行」は擬古的押韻詩か―杜甫詩韻 覚書

Ⅲ 白居易・韓愈 

白居易近体詩韻字考―杜甫近体詩韻字との比較を通して/白居易「琵琶行」における上=去通押について/韓愈の擬古用韻について―「銘」での用例を中心に

Ⅳ 蘇軾

蘇軾詩における上=去通押について/蘇軾詩の換韻について―中古的声調体系崩壊後の姿をめぐって/蘇軾詩における避諱韻字について―『礼部韻略』「韻略条式」を中心に

初出一覧/あとがき/索引

A5判 346頁 2015年9月発行 ISBN978-4-87636-400-8

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唐代勅撰類書初探

大渕貴之著

 『藝文類聚』を始めとする唐代の勅撰類書について、編纂当時の性質や意義及び後代における変容、それに伴い生じたテキスト改変の存在を明らかにする。個別具体的論点を摘出し、新たな見解・視点を提示。この視覚から『白氏六帖』についても解析する。

 

序論

類書について/類書研究概観/本書の研究対象と目的/本書の構成

第一章 唐代勅撰類書の中核概念―『藝文類聚』と『群書治要』を手がかりとして

先行研究における類書の捉え方/目録における「類書」の成立/『藝文類聚』に見る類書観/『群書治要』に見る類書観/唐代編纂時における類書観

第二章 類書勅撰の政治的意義―『藝文類聚』編纂を例として

「欧陽詢撰」の問題/採録詩文に見る欧陽詢主導の痕跡/斉王文学袁朗の積極的関与/『藝文類聚』編纂と武徳期の皇位継承争い/太宗李世民と『藝文類聚』

第三章 唐代類書に見える避諱の影響―『藝文類聚』における部立て改変を中心に

類書と避諱/『藝文類聚』採録文献に見える避諱/部立て構成の中の避諱/その後の唐代類書について/後代の類書に与えた影響

第四章 『藝文類聚』本文批判の一指標―一詩文一部立ての原則について

詩文採録における編集原則の仮定/現行テキストにおける複数部立て重出の詩文/現行テキストの資料価値

第五章 南宋出版時における『藝文類聚』の条文修補―『初学記』条文による補綴の例

『藝文類聚』への『初学記』本文補入に関する従来の指摘/新たに見出された『初学記』本文の移入箇所/テキスト移入の時期と背景

第六章 伝承過程における『白氏六帖』の部立て増修―『藝文類聚』『初学記』による山部門目の増修を中心として

陳翀氏の『白氏六帖』勅輯説/宋版『白氏六帖事類集』山部に見える増修部立て/部立て増修の時期

第七章 『白氏六帖』と白居易の判―勅輯説に符号する収載対偶群

『政事要略』所収「白居易伝」に残る疑問/『白氏六帖』収載の白居易自作に関する指摘/『白氏六帖』に潜在する対偶群/白居易判中の対偶に一致か極めて類似する『白氏六帖』中の対偶/白居易判の草稿・断片である可能性/『白氏六帖』原型考察の手掛かり

結論

権力と類書/王朝の交代と類書テキストの変容/現行テキストの批判的利用と原貌考究の必要性

あとがき/初出一覧/索引

A5判 230頁 2014年10月発行 ISBN978-4-87636-385-8

 

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生誕千三百年記念 杜甫研究論集

中国詩文研究会 松原 朗編

まえがき 松原朗

天寶十四載、杜甫四十四歳―仕官前夜の詩と人生 古川末喜

杜甫の「詩の死」―そして秦州における詩の復活 松原朗

杜甫の旧居を詠ずる唐末・五代の詩―同谷と成都を中心として 後藤秋正

杜甫のまわりの小さな生き物たち 川合康三

杜甫の離蜀後の行跡に関する考察―ならびに杜甫の死について 陳尚君 石井理訳

杜甫「李潮八分小篆歌」の李潮は李陽冰ではないのか―戸崎哲彦氏〈非同一人物説〉への疑問 内田誠一

杜甫七律の「変格」の原理と意義―明代詩論に見られる七律の傾向に関する論争を手がかりに 葛曉音 丸井憲訳

七言拗律論の濫觴と展開―杜甫から黄庭堅へと受け継がれたもの 丸井憲

杜甫の〈友情詩〉に関する覚書 高橋良行

杜陵野客と腐儒 土谷彰男

「暝色」の平仄について―仇兆鰲の音注に対する一つの疑問 矢田博士

宋人による杜詩校勘の成果とその影響について 莫礪鋒 石碩訳

杜甫の越えてゆく言葉―子規の眼 加藤國安

国語科教材の中の杜甫 堀 誠

あとがき 松原朗

A5判函入 468頁 2013年10月発行 ISBN978-4-87636-365-0

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唐詩韻律論―拗體律詩の系譜

丸井 憲著

近體詩から派生した拗體の律詩について、主として宋代における唐詩韻律論に依拠しつつ、その濫用から展開へと向かう過程を整理しながら、中国古典詩歌史における意義を考察する。

<目次>
序章 近骨豊詩成立後の唐詩の韻律―殷は『河嶽英霊集』を手がかりに
開元十五年―盛唐詩の成熟/盛唐詩の韻律/杜甫七律の特殊な韻律
第一章 五言拗律はいつ発生したのか

五言拗律という現象の認知/五言拗律の萌芽と展開 
第二章 五言拗律の系譜―方回『瀛奎律髄』「拗字類」を手がかりに 
五言拗律の諸形態/受け継がれゆく五言拗律/「平起式拗聯」の系譜/仄起式拗聯」の系譜
第三章 七言拗律論の濫觴と展開―杜甫から黄庭堅へと受け継がれたもの
胡仔『ちょう溪漁隠叢話』に見る七言拗律論の濫觴/方回『瀛奎律髄』に見る七言拗律論の展開/黄庭堅の七言拗律の諸特徴―杜律との比較をもとに
第四章 近體と古體のあいだ―王孟韋柳の仄韻五律を読む
「古詩之対偶者」/「仄韻之律」/王孟韋柳仄韻五律を読む
第五章 杜甫の五言拗律について(上)―各創作期ごとの比較 
詩律と拗體/杜甫の五言に見られる特徴/杜甫が拗體を駆使したねらいは何か
第六章 杜甫の五言拗律について(中)―賈島との比較 
賈島の五言拗律の主な類型/賈島の五言拗律に見られる特徴
第七章 杜甫の五言拗律について(下)―張九齢、王維との比較および結論
張九齢の五言拗律その特徴/王維の五言拗律とその特徴/拗體の種類とその出現頻度/杜甫の五言拗律に固有の形態
あとがき 初出一覧 索引

A5判 342頁 2013年10月2日発行 ISBN978-4-87636-367-4

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唐詩推敲―唐詩研究のための四つの視点

静永 健 著

詞藻ゆたかな唐詩、その研究方法について、著者が心に留めてきた四つの方向からアプローチ。具体的な事例を挙げ、唐詩を味わいつつ解説する。カラー口絵12ページ。

〈目次〉

Ⅰ音声―平仄に込められた唐詩の真実
音に感じる唐詩の美/賈島「推敲」考/白居易の忠州 
Ⅱ典故―重なり合う歴史故事
「衛公宅静閉東院」考/白居易「夜送孟司功」詩の本文異同について/虚構の中の「琵琶引」 
Ⅲ校勘―書き写されてゆく作品の宿命
『千載佳句』所引耿湋詩異文考/白居易の青春と徐州、そして女妖任氏の物語/白居易「任氏行」考/唐詩人の知的生き方に学ぶ/謝思煒『白居易詩集校注』の刊行を賀す 
Ⅳ域外―日本と朝鮮半島から見た中国古典文学
域外漢籍研究とは何か/漢籍の日本伝来と馬の関係/『千載佳句』所収崔致遠逸詩句初探/新羅文人崔致遠と唐末節度使高駢の前半生/東京国立博物館蔵古筆切「白氏文集巻六十六」の本文について/東博本「白氏文集巻六十六」翻字・解説 
付篇 現代社会と古典

社会に憤る詩―杜甫「石壕吏」のもう一つの読み方/官界に生きる隠者―白楽天/ゆすらうめの花の話/高校生に薦めたい漢詩「原爆行」「水爆行」について

A5判 458頁 2012年10月発行 ISBN978-4-87636-346-9

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白居易詩研究

澤崎久和 著

白居易詩を日常生活を描く観点から検討。また白詩に特徴的な思考・感情を探求。さらに長恨歌の成立背景を仙遊寺との関わりから考究する大冊。

〈目次〉

第一部 白居易詩表現論考

Ⅰ 日常生活と詩

白居易の日常生活/白居易詩「飽食」考―白居易の詩における身体と精神/白居易の「贈物詩」について

Ⅱ 白居易詩の表現

白 居易の詩における「自問」について/白居易の写真詩をめぐって/白居易と絵画/白居易詩における比較表現/偶作詩の成立と白居易―「偶作」「偶 成」「偶題」/「招客」の詩―白居易詩の表現/「同宿」の詩―白居易詩の表現/白居易の詩における〈故郷〉/白居易「心泰身寧是帰処、故郷可独在長安」に ついて

Ⅲ 「長恨歌」と「長恨歌伝」

『麗情集』所収「長恨歌伝」について/『文苑英華』所収『麗情集』「長恨歌伝」の本文について/白居易と仙遊寺―「長恨歌」成立の舞台と背景/ふたたび仙遊寺を訪ねて

第二部 宋詩自注所引の白居易関係資料

宋詩自注所引の白居易関係資料(一)―王禹ショウ・宋庠/宋詩自注所引の白居易関係資料(二)―北宋詩/宋詩自注所引の白居易関係資料(三)―南宋詩/宋詩自注所引の白居易関係資料索引

A5判 678頁 2013年2月発行 ISBN978-4-87636-354-4

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詩人の視線と聴覚―王維と陸游

入谷 仙介 著

王維と陸游を主題とし、両者を繋ぐ中晩唐宋代の文学をテーマとする論考との三部構成で編む。研究に一生を捧げた中国文学者の遺稿集。

〈目次〉

Ⅰ 継承と超克―王維と杜甫・元稹  

乾坤と天地―杜甫の世界観の手がかりとして/悼亡詩について―潘岳から元稹まで/王維の応制詩について/王維の詩における音声表現

Ⅱ 陸 游―宋代士大夫の一典型 

此身合是詩人未―陸游の剣門体験の意義/陸游と蛍/陸游の夢の詩についての一考察/虁州における陸游

Ⅲ 唐代文学の一側面 

白居易と女性たち/白居易の「琵琶引」―その成立についての一考察/二つの「平淮西碑」―韓愈と段文昌/王維から杜甫へ/唐代の楽府について/晩唐の詩人たち/隠逸の境地―隠者の苦悩と喜び

編集後記(道坂昭廣)

A5判 328頁 2011年9月発行 ISBN978-4-87636-328-5

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李商隠詩文論

加固理一郎 著

晩唐を代表する文学者のひとり李商隠の駢文と詩歌について詳細に考察し、彼の文学の多義的・重層的な詩風を解析する。李商隠の不遇と文学、李商隠の駢文について、李商隠の詩歌について、の三部構成。

〈目次〉

第一編

李商隠の不遇と文学 李商隠の不遇感について/李商隠の転機

第二編

李商隠の駢文について―士大夫文学としての諸相 公用文書に用いられる駢文/代作の態度について/祝文について/祭文について/温庭いんと段成式の駢文について

第三編

李商隠の詩歌について―多義性と虚構性 「無題」詩の「青鳥」について/「無題」詩連作の構造と主題について/悼亡詩「房中曲」について/「楽遊原」五絶の「夕陽」と「黄昏」について/「錦瑟」詩について

A5判 432頁 2011年2月発行 ISBN978-4-87636-316-2

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中国古典文学の思考様式

和田英信 著

作品が生み出され、読まれる際の考え方のかたち、即ち、文学の創造と受容における思考様式を中国古典の中に探ったユニークな研究書。

 

〈目次〉

Ⅰ文学の歴史をみる目
「古と今」の文学史―中国の文学史的思考
中国の文学史的思考―『漢書』藝文志詩賦略、そして『宋書』謝霊運伝論
建安文学をめぐって
平淡について―唐詩と宋詩に関わる幾つかのこと
唐宋両朝詩比較論の成立と『滄浪詩話』
Ⅱテクストからテクストへ
模擬と創造―六朝雑擬詩小考
聯句から次韻へ
李賀という詩人像―李商隠「李賀小伝」と李賀の物語
古文の修辞学―欧陽脩の場合
蘇軾の詠画詩(一)―熙寧年間を中心に
蘇軾の詠画詩(二)―元祐年間を中心に  
Ⅲ中国文論のかたち
王陽脩「詩話」の表現形式
詩話の成立とその変容
日本近世期の詩話について
〈文話〉について―〈文章読本〉源流小考

A5判 348頁 2012年11月発行 ISBN978-4-87636-349-0

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初唐文学論

高木 重俊 著

初唐期の文学をになった人々の生涯とその文学的成果を明らかにし、つづく盛唐文学を導く初唐文学の特徴について論究する。
<目次>
序章 初唐という時代と、本書の概要

第一章 王績論

王績伝論―呂才「王無功文集序」をめぐって/王績の文学―寒郷の春

第二章 初唐四傑論

盧照隣の生涯と文学/駱賓王の生涯と文学/王勃の生涯と文学/楊烔の生涯と文学/王勃「春思賦」と盧・駱の七言長篇詩

第三章 陳子昂論

官人としての陳子昂―その上書を中心として/陳子昂の文学―兼済と独善の間で

第四章 沈佺期・宋之問論

沈佺期の生涯と文学/宋之問の生涯と文学

第五章 初唐詩人を巡る人々

薛元超―寒俊を汲引した実力者/裴行倹―文芸と器識の問題を中心に

第六章 張説文学論

宮廷詩人としての張説/欽州流謫詩群について/先天中、洛下唱酬詩を巡って―初唐新興文人官僚の一側面/岳州小詩壇と幻の『岳陽集』/張説の抒情―官途の旅情

初唐文学関連年表

A5判函入 606頁 2005年10月発行 ISBN4-87636-254-8

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唐代科挙の文学世界 【研文選書102】

高木 重俊 著

文学史に新たな題材を提供した唐代の科挙文学の世界三百年の展開と変遷を韻文・散文の諸作品と人物を通して考察する。

〈目次〉
「至公」に寄せる思い

古代の伝承から/至公と科挙/至公論に見る士人の面目
韻文篇 

受験生たちの長安/及第詩/落第詩/得喪の悲歓こもごも/詩人のいる風景
散文篇 

干謁の文章 王冷然の書簡/白居易の書簡

筆記小説から 詩人の登場(陳子昴)/及第より友情(白敏中)
貢挙・銓選と「文章」

文章と経国・立身/詩・賦の優位と雕虫・篆刻への批判/銓選と文章意識/正直な文章に正当な評価を/文章はやはり名利の源

詩人任華の咆哮 

任華における李白・杜甫/任華の自薦と文学

4・6判 272頁 2009年2月発行 ISBN978-4-87636-295-0

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東西南北の人―杜甫の詩と詩語 【研文選書109】

後藤秋正著

杜甫の詩を生活者としての視点からとらえ直した論考のⅠ部と、杜甫に見える、一見平易な言葉に見えながら一律には扱えない詩語について考えた文章を収めるⅡ部とで構成。

〈目次〉

Ⅰ 杜甫の詩 

食事を詠ずる詩/飢餓を詠ずる詩/白髪を詠ずる詩

Ⅱ 杜甫と詩語 

「春望」の「国」について/「秦州雑詩」の「因人」について/「同谷歌」の「狙公」について/「東西南北の人」について―杜甫と高適の酬和詩を中心として/杜詩と「牛馬」/杜詩と「牛羊」/杜詩と「熊羆」

4・6判 336頁 2011年10月発行 ISBN978-4-87636-329-2

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杜甫詩話―何れの日か是れ帰年ならん 【研文選書117】

後藤秋正著

 杜詩に出るトンボや蝶に着目して詩の魅力に新たな光を射て、またその詩語や彼の墓について論究する。杜甫生誕千三百周年を期して刊行。

〈目次〉

Ⅰ 杜甫の詩

杜甫とトンボ/杜詩と蝶/「何れの日か是れ帰年ならん」―杜甫「絶句二首」と李白「奔亡道中五首」

Ⅱ 杜甫と詩語

「渾渾」考/「執熱」考/「狐狸」「狐兔」考/「飛動」考/「飛騰」考/「稚子」と「雉子」と―杜甫「絶句漫興九首」〈其七〉

Ⅲ 杜甫の墓

『鞏県志』と杜甫墓/偃師の杜甫墓

4・6判 270頁 2012年11月発行 ISBN978-4-87636-350-6

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花 燃えんと欲す 続・杜甫詩話 【研文選書121】

後藤秋正著

 本 書に収録した文章は・・・すべて杜甫の詩語に関わるものなので、杜甫の「絶句」を扱った一文からとって、『花 燃えんと欲す―続・杜甫詩話』と題した。第 一部には杜甫の詩句について考えたことを、第二部には杜甫の詩語について考えたことを、第三部には特に李白の詩との関連を意識して考えた文章を収めてあ る。いずれもノートか覚書と称した方がふさわしいような雑文の集積で、内心忸怩たるものがあるが、杜甫の詩を読む際に何らかの手懸かりとなることがあれば 本望である。(本書「あとがき」より)

 

Ⅰ 杜甫の詩

杜甫の詩と「児童」

「花 燃えんと欲す」の系譜

「秋風落」考―杜甫「示姪佐」詩

Ⅱ 杜甫と詩語

「無地」考

「削跡〔迹〕」考

「頭風」考

Ⅲ 李白と杜甫の詩語

李白と杜甫の「独立」

李白と杜甫の「独坐」

4・6判 258頁 2014年9月発行 ISBN978-4-87636-384-1

¥2,970
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「春望」の系譜ー続々・杜甫詩話 【研文選書126】

後藤秋正著

本書を三部に分けた。Ⅰには杜甫「春望」に関わる文章を、Ⅱには杜甫の詩を読み進める中で気づいた語と、動植物に視線を向けた詩に関わる文章を収め、Ⅲでは杜甫の「逸詩」「逸句」を扱った。Ⅲは初めての試みである。・・・拙著において、杜甫の詩の特質をどの程度明らかにできたか、まさしく一斑もて全豹を評するようなものだが、部分の解明が全体の解明につながってゆくことを信じながら、今後も杜甫の詩を読み続けたいと思う。(「あとがき」より)

 

Ⅰ 「春望」について

「春望」の系譜╱杜甫「春望」の頷聯について╱杜甫の詩における「山河」と「山川」、「江山」

Ⅱ 杜甫の詩と詩語

杜甫「旅夜書懐」の「星垂」はどのように読まれてきたのか╱「牛炙・牛肉」についての覚書ー杜甫「聶耒陽詩」╱杜甫の詩とサルー猿・狙など╱杜甫の詩とニワトリ╱杜甫の詩とタケノコー筍・笋

Ⅲ 杜甫の「逸詩」と「逸句」

杜甫の「逸詩」について╱杜甫の「逸句」について

あとがき╱初出一覧

46判 286頁 2017年5月発行 ISBN978-4-87636-423-7

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詩仙とその妻たち―李白の実像を求めて 【研文選書116】

筧 久美子著

謎の多い李白の生涯と文学について、五十年に亘り少しずつ問題点を解きほぐし、理解を深めていった軌跡を集成。

〈目次〉

Ⅰ まじめだった李白

李白―人と思想/まじめだった李白/天の我が材を生ずるは必ず用あり―李白とのえにし/独酌 相親しむ無し―一人で飲む酒/李白における時間推移の感覚について

Ⅱ 李白とその妻たち

李白結婚考/「妻に贈る詩」と「妻をうたう詩」―李白と杜甫/入り婿「詩仙」の悲劇―理想敗退の背後にあるもの

Ⅲ 李白論

李白総説/李白論/李白の楽府について

Ⅳ 李白研究の動向

唐代文学国際学術討論会及び李白研究の動向/〈書評〉黄錫珪『李太白年譜』・詹鍈『李太白詩文繋年』/〈書評〉郭沫若『李太白与杜甫』/〈書評〉大野實之助『李太白研究』/阿倍仲麻呂にとっての奈良/『新唐書』「李白伝」訳注

あとがき(筧 文生)

4・6判 304頁 2012年11月発行 ISBN978-4-87636-348-3

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唐代の哀傷文学

後藤 秋正 著

臨終詩・送葬詩と帰葬詩・墓地を詠ずる詩・幼児の死を悼む詩など、死にまつわる哀傷を主題とする詩歌が、唐代ではどのような展開をみせたのか、その具体的な様相を、作品を緻密に読み解き明らかにする。

 

Ⅰ 唐詩と臨終詩

唐詩に見られる「臨終」の語

『全唐詩』の中の「臨刑・臨化」詩

Ⅱ 送葬詩と帰葬詩

唐代「送葬詩」の周辺

「帰葬詩」の成立―漢代から南北朝末期まで

唐代の「帰葬詩」

杜甫の詩を中心として/劉長卿・王建・陳羽・劉言史の詩/廖有方・唐彦謙・貫休の詩

Ⅲ 墓地を詠ずる詩歌

北邙を詠ずる詩歌―漢代から南北朝末期まで

北邙を詠ずる唐代の詩歌

劉希夷・張籍・羅隠らの詩歌/陳子昂・韋応物・孟郊らの詩歌/白居易・劉言史・張祜らの詩歌/許渾・賈島・李山甫らの詩歌

唐詩に詠じられた杜甫の墓

李節「過耒江弔子美」詩について―続唐詩に詠じられた杜甫の墓

Ⅳ 唐詩と幼児の死

幼児の死を悼む唐詩

王勃・顧況・于鵠の詩/孟郊の詩/元槇の詩/白居易の詩/李群玉・皮日休の詩

A5判 596頁 2006年2月発行 ISBN4-87636-256-4

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唐代文学の視点

松本 肇 著

第一編 情の文学 

韓愈―主情性の文学/韓愈の詩―攻撃性の変容をめぐって/韓愈の「秋懐詩」について/韓愈の「雑説」について

第二編 低抗の精神 

柳宗元の「詠荊軻」をめぐって―荊軻受容の視覚/柳宗元の望郷詩

第三編 シャーマン文学 

李賀の詩をめぐる宇宙論的考察

シャーマン詩人/空間の視点から―「南山」考/時間の視点から―飛躍・逆行・停止/馬と剣のシンボリズム(一)―「馬詩二十三首」の構造/馬と剣のシンボリズム(二)―剣のシンボリズム

第四編 詩人の自覚 

孟郊の文学/賈島の文学

第五編 生の喜び 

杜甫の「高枕」について/白居易の寓言詩―流動の美学/白居易の散文/劉禹錫の寓言詩

第六編 イメージの変容

王昭君の顔―中唐詩の意義/唐詩にみる桃花源―非充足の快楽

A5判 502頁 2006年10月発行 ISBN4-87636-264-5

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唐代の文論

京都大学中国文学研究室編

唐代の文学論のなかから主要な二十七篇を厳選し、本文に、解題・書下し文・現代語訳・注釈・参考文献を付す。文学論の視点から唐代の文学に迫る。

 

唐代の文論―まえがきに代えて 川合康三

北斉書文苑傳序 李百薬

周書王褒庾信傳論 令狐徳棻

上吏部裴侍郎啓 王勃

王勃集序 楊炯

駙馬都尉喬君集序 盧照鄰

南陽公集序 盧照鄰

修竹篇序 陳子昻

陳伯玉文集序 盧蔵用

古今詩人秀句序 元兢

国秀集序 楼穎

河岳英霊集序并集論 殷璠

篋中集序 元結

戯為六絶句 杜甫

尚書刑部侍郎贈尚書古僕射孫逖文公集序 顔真卿

中興間気集序 高仲武

答李翊書 韓愈

送孟東野序 韓愈

荊潭唱和詩序 韓愈

寄李翺書 裴度

答呉武陵論非国語書 柳宗元

答韋中立論師道書 柳宗元

唐工部員外郎杜甫墓誌銘并序 元槇

与元九書 白居易

唐故柳州刺史柳君集紀 劉禹錫

唐故平盧軍節度巡官隴西李府君墓誌銘 杜牧

与極浦書 司空図

与李生論詩書 司空図

A5判 500頁 2008年10月発行 ISBN978-4-87636-288-2

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唐代〈文学士族〉の研究―関中・山東・江南の三地域に即して

李 浩著
松原 朗・山田 智・石村貴博訳

歴史・文化の担い手として〈文学士族〉という新概念を提示し、更に地域的差異を突破口に唐代文学に新解釈を主張。

 

第一章

唐代三大地域と三大文化中心 

三大地域概念の提唱/三大地域における地方文化の特色/三大文化区域と文化ネットワーク/統一王朝における地域的差異と文化的差異

第二章

唐代三大地域の文学的様相 

文学の地域的特色/文体の地域的相違/文人の地域的分布/三大地域の文学特徴についての再考察

第三章

唐代文学士族の成立 

「文学士族」の定義/唐代の文献に見られる所謂「清流」について/衣冠と衣冠戸/四姓・五姓・七姓と郡姓

第四章

唐代文学士族の地域的構成 

関中士族グループ/胡姓士族グループ/山東士族グループ/江南士族グループ/三大地域文学グループの比較

第五章

唐代文学士族の移動 

科学・仕官による移動/戦争による移動/遷謫と赴任による移動/士族の移動の学術文化に対する影響

第六章

唐代士族と賢能基準 

唐人の賢能基準に対する論争と分岐/賢能の基準変遷/賢能の基準得失と評価

第七章

『隋書』における文化地理観

『隋書』「文学傳」/『隋書』「儒林傳」の学術地域観/『隋書』「地理志」の地域文化思想

第八章

陳寅恪士族理論の誤読 

陳寅恪の士族理論の主要内容/学術界における士族研究の趨勢/意図的な誤読と無意識の曲解

第九章

関中本位政策から科挙制度へ 

文武合一から文武分離にいたるまで/「文武分離」から「文学取士」へ

第十章

「詩賦取士」説 

「詩賦取士」説の由来/唐人の「詩賦取士」に対する批評/「詩賦取士」の再評価

第十一章

「寡母教孤」―唐代士族教育の一つの顕著な現象についての考察と分析 

寡母教孤の資料/寡母と孤子の族姓の考察/寡母教孤の教育学的分析/寡母教孤の心理学的分析

A5判函入 376頁 2009年11月発行 ISBN978-4-87636-305-6

¥6,600
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中国離別詩の成立

松原 朗 著

後漢末の建安時代から中唐前期の大暦・貞元期を対象に、曹植から韋応物に至るまでの主要な作者に即して離別詩の具体的な様相を考察する。文学の主題と価値意識の変化の問題にも離別という主題から論及。

 

序論―主題と様式

鮑照による離別詩の開拓―六朝期における離別詩の形成(上)

永明期における離別詩の競作―六朝期における離別詩の形成(中)

何遜と六朝離別詩の帰着―六朝期における離別詩の形成(下)

送別と留別―初唐四傑による「送序」の創出をめぐって

盛唐期の台閣詩人と送別詩の確立―張説から王維へ

王昌齢離別詩論考

送別における「送」と「別」―高適送別詩論考

大暦様式の超克―韋応物離別詩考

自送の詩―王維「送別」詩論考

李白「灞陵行送別」考

蘇武李陵詩考―離別詩の一つの源泉

A5判 424頁 2003年6月発行 ISBN978-4-87636-219-6

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李白伝記論 -客寓の詩想

松浦 友久 著

李白の詩と人生について、多様な資料・視点を駆使して論究した最新の研究成果。重要点を剔抉する伝記考証と、詩性の特色を解明する作風批評とを融合した新しい“伝記論”。李白と杜甫の差異の本質をも解明する。

 

「客寓」の詩想―李白の認識の基調として

李白における生地と家系―異民族説の再検討を中心に

李白における蜀中生活―客寓意識の源泉として

李白家室考―伯禽の系譜を中心に

李白における長安体験―二回上京説に関する諸問題/「謫仙」の呼称を中心に

李白における安史の乱―永王幕府への参加まで/投獄・出獄まで/流謫・赦免まで

李白晩年考―没年の再検討を中心に/赦免後の歴遊が意味するもの

李白における「捉月」説話―終焉説話の伝記論的意味

A5判 422頁 1994年9月発行 ISBN4-87636-120-7

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詩語の諸相-唐詩ノート <増訂版>

松浦 友久 著

日本人に親しまれる唐詩の新しい読みかた。蛾眉・断腸など、特色ある詩語の個別的考察を通じ、中国人の言語感覚の特徴を探り、さらに日本語文化との異同を考える。好評の旧版を修補し、新たに四篇を加える。

 

中国語の性格―詩と言語

「猿声」考―詩語と歌語

「蛾眉」考―詩語と歌語

「断腸」考―詩語と歌語

詩語としての「怨」と「恨」―閨怨詩を中心に

耶娘妻子走相送―唐詩の白話的表現と厭戦詩の発想

(付説)ふたたび「耶娘妻子走相送」について―戦争詩における主題と素材の異同を中心に

長安一片月―「一片」の用法とそのイメージ

烽火連三月―数詞の声調をめぐって

(付説)「沙場」考

却話巴山夜雨時―詩語とその条件

憶君遥在瀟湘月―離別詩における時間の表現

一水中分白鷺洲―詩材としての風土

児女共霑巾―名詞の副詞化が意味するもの

邏人横鳥道 江祖出魚梁(「秋浦歌」その十一)―詩的構図としての山腹と水面

此地即平天 耐可乗明月(「秋浦歌」その十二)―地名とその連想

白髪三千丈(「秋浦歌」その十五)―「明鏡」としての清渓河

空吟白石爛(「秋浦歌」その七)―「歌行」類の表現機能を中心に

A5判 306頁 1995年10月増訂版発行 ISBN4-87636-130-4

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杜甫論の新構想 -受容史の視座から

許 総 著/加藤 国安 訳注

<目次>
唐代における杜詩論/宋詩における杜甫宗師論/宋代の杜集の編纂史/江西詩派における杜詩論/明清代における杜詩論/桐城派における杜詩論/清・呉見思の杜詩論/近代・聞一多の杜詩論/解説 ほか

A5判

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終南山の変容―中唐文学論集

川合 康三 著

Ⅰ 中唐の文学

唐代文学

時代区分/「盛唐の音」に向かって/盛唐の詩/中唐の新たな展開

文学の変容―中唐文学の特質

詩は世界を創るか―中唐における詩と造物

世界の模写/世界の創造と破壊/天の処罰と天の要請/文人たちの世界創造/不可視世界の創造に向けて

中国における詩と文―中唐を中心に

中唐の詩・文の数/「詩筆」或いは「文筆」/「以文為詩」/韓愈・白居易における「以文為詩」

終南山の変容―盛唐から中唐へ

奇―中唐における文学言語の規範の逸脱

批評用語としての奇/李賀と奇/皇甫湜の尚奇論/韓門の奇/韓愈と奇/反奇尚正/韓愈と杜甫/なぜ奇か

日常のなかの発見

Ⅱ 韓愈

韓愈の「古」への志向―貞元年間を中心に

疎外感と「古」/「出門」詩/孟郊との出会い/韓門の形成

韓愈の詩の中の二、三の人間像をめぐって

孟郊/廬仝/劉師命

戯れの文学―韓愈の「戯」をめぐって

「戲」の一―裴度の苦言/「戲」の二―韓愈の弁明/「戲」の三―柳宗元の擁護/韓愈の芸術観と「遊び」の精神/「遊び」の意味

韓愈の文学様式探究の試み―「画記」分析

韓愈と白居易―対立と融和

対立と融和/対立とユーモア―韓愈の自己戯画化/白居易―融和と自足

Ⅲ 白居易

長安に出てきた白居易―喧騒と閑適

長安と挙子/顧況との出会いの逸話/長安に覚える異和感/文学の中の長安/閑適の発見

白居易閑適詩攷

ことばの過剰―唐代文学の中の白居易

作品の多さ・ジャンルの広さ/ことばの多さ・詩の長編化/詩の日常性/多面的思考

「白俗」の検討

元和体/「元軽白俗」

「長恨歌」について

「長恨歌」と「長恨歌伝」/楊貴妃の死後の物語/前半と後半の対応/愛情物語の成立

Ⅳ 李賀

李賀とその詩

生と自意識/未分化の感覚

李賀の表現―「代詞」と形容詞の用法を中心に

「代詞」/堤喩型代詞/形容詞

李賀と比喩

比喩のしくみ/喩詞と被喩詞/水と空の比喩/喩詞から立ち上がる世界

Ⅴ 拾遺

「白日依山尽」の解釈/『宣室志』と李徴化虎譚

A5判 592頁 1999年10月発行 ISBN4-87636-177-0

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詩人たちの生と死―唐詩人伝叢考

植木 久行 著

誕生や死につき種々の問題を孕む重要な詩人二十三名を取りあげ、精緻な考証を加え、その生卒年を確定する。

 

上官儀(字游韶)―聞一多説の論拠の推定

蘇味道(字未詳)―生没年の再検討

王勃(字子安)―唐鈔本の持つ価値

崔融―(字安成 一作文成)―没年範囲の限定

張鷟(さく)(字文成)―常挙と制挙の混同

賀知章(字季真)―没年の論拠の再確認

上官昭容(名婉児)―「襁褓」の解釈

李邕(字太 一作泰 和)―出土墓誌の活用

顔真卿(字清臣)―原資料の錯綜した記載

鮑防(字子慎)―死亡日の異同

陸羽(字鴻漸 一名疾字季疵)―没年推定資料の日中間の異同

耿湋(こうい)(字未詳)―生年の確定

韋応物(字未詳)―同名異人の存在

竇(とう)常(字中行)―享年の文字の異同

竇牟(ぼう)(字貽周)―兄との同年齢問題

竇群(字丹列)―享年表記の脱字

竇痒(しょう)(字冑卿)―生没年範囲の再検討

竇鞏(きょう)(字友封)―享年表記の異同

裴度(はいど)(字中立)―一年誤解された生年

白居易(字楽天)―「自撰墓誌」の真偽

牛僧孺(字思黯)―西暦換算の問題

謝観(字夢錫)―墓誌の享年上の欠字

杜牧(字牧之)―迷走した没年問題

A5判 232頁 2005年7月発行 ISBN4-87636-251-3

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中国の文人像 【研文選書95】

中嶋 隆藏 著

日本人的な「文人」観とはことなる中国歴代の人びとが描き出してきた「文人」像について、時代をおって実際の資料を広く探り、その諸相と変遷の実態を解析し、現代における「文人」の意味を考える。

〈目次〉

漢魏時代の文人像―王充と曹丕

王充が描く「文人」像/曹丕が描く「文人」像

六朝時代における文人像―葛洪、劉勰、顔之推と姚察

葛洪の『抱朴子』に見える「文人」/六朝後半の「文人」像

唐宋時代の「文人」像―白居易、司空図、蘇軾と陸游

唐代の「文人」像/宋代の「文人」像

明代後期の「文人」批評―胡応麟と顧炎武

“文人層”出現の時代/胡応麟の「文人」批評/顧炎武の「文人」批評

清代中期の「文人」批評―章学誠と趙翼

章学誠の「文人」批評/趙翼の「文人」批評

辛亥革命直前の文人像―周作人と高鳳謙

周作人の「論文章之意義曁其使命因及中国近時論文之失」/高鳳謙の「論偏重文字之害」

民国成立期の文人像―李大釗、胡適、林吾堂、蒋廷黻、瞿秋白と銭鍾書

李大釗の「厭世心与自覚心」と胡適の「文学改良芻議」/林吾堂の「做文与做人」/蒋廷黻の「知識階級与政治」、瞿秋白の「文人」、銭鍾書の「論文人」

4・6判 220頁 2006年2月発行 ISBN4-87636-257-2

¥2,640
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長生殿訳注

清・洪昇著 竹村則行訳注

楊貴妃と玄宗の話を清代の洪昇が戯曲として完成させ、現代まで人気の高い『長生殿』を翻訳し注釈を付す。訳注者の長年の研究成果が随所に発揮される。

〈目次〉

第 一幕 概要/第二幕 結婚/第三幕 贈賄/第四幕 春眠/第五幕 曲江遊幸/第六幕 怪訝/第七幕 特別の恩寵/第八幕 お詫びの献髪/第九幕  天寵再び/第十幕 予言詩/第十一幕 天上の音楽の伝授/第十二幕 秘曲の製作/第十三幕 安録山・楊国忠の争い/第十四幕 秘曲の盗聴/第十五幕 レイ 枝の献上/第十六幕 霓裳羽衣の舞/第十七幕 巻き狩り/第十八幕 楊貴妃の怨み/第十九幕 楊貴妃、西閣へ乗り込む/第二十幕 スパイの報告/第二十一 幕 入浴の覗き見/第二十二幕 七夕の誓い/第二十三幕 潼関陥落す/第二十四幕 変乱に驚嘆す/第二十五幕 楊貴妃の埋葬/第二十六幕 麦飯を献上する /第二十七幕 楊貴妃の霊魂も同行/第二十八幕 賊軍を罵る雷海青/第二十九幕 剣閣山の鈴の音/第三十幕 楊貴妃の霊魂の悔恨/第三十一幕 郭子儀の安 録山討伐/第三十二幕 楊貴妃像に慟哭する/第三十三幕 土地神の訴え/第三十四幕 安録山の暗殺/第三十五幕 長安の秩序が回復する/第三十六幕 楊貴 妃の足袋を拝観する/第三十七幕 楊貴妃の屍体が遷化する/第三十八幕 南京での琵琶の弾き語り/第三十九幕 楊貴妃を祭る/第四十幕 仙女楊貴妃の回億 /第四十一幕 月見る玄宗の思い/第四十二幕 馬嵬駅での迎えの準備/第四十三幕 楊貴妃墓の改葬/第四十四幕 牽牛が織女に、玄宗と楊貴妃の団円を慫慂 する/第四十五幕 玄宗が雨夜に楊貴妃の夢を見る/第四十六幕 道士楊通幽が楊貴妃の霊魂を探し求める/第四十七幕 織女が楊貴妃の恨みを補填する/第四 十八幕 楊通幽が楊貴妃へ玄宗の思いを伝える/第四十九幕 楊通幽が玄宗への楊貴妃の伝言を伝える/第五十幕 大団円
『長生殿』解釈史考―附『長生殿』版本志
あとがき
『長生殿』版本志

A5判 430頁 2011年6月発行 ISBN978-4-87636-321-6

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人生に素風有り

追悼記念文集刊行会編・刊 <研文出版発売>

2003年6月に長逝された入谷仙介先生を偲んで各界から寄せられた追悼文を集成。序(興膳宏)の他、友人、大学の同僚の方々、難聴者運動をともにして、後進の方・受業生たち、研究の場からの5部で構成。

A5判 326頁 2005年5月発行 ISBN4-87636-244-0

¥4,400
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