中国史【郷土史】

東アジアの信仰と東西交渉

                         菊地章太著

 

       東アジアの信仰と東西交渉 目 次

 

 はじめに 問題の所在と研究の方向

 第一章 弥勒信仰の西漸

 第二章 祇園精舎無常院考証

 第三章 中国典礼問題のゆくえ

 第四章 こんちりさんの救い

  補遺 『胡無知理佐无の略』翻刻

 第五章 天草宗門心得違始末

 第六章 媽祖と海域の文化

 

 A5判上製 221ページ 2024年1月刊 ISBN978-4-87636-482-4

 

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近代中国の郷土意識 ―清末民初江南の在地指導層と地域社会

佐藤仁史 著

江南地方の市鎮社会という空間とそこに生成した郷土意識に着目し、地域社会の変容過程を分析する。

〈目次〉

第Ⅰ部 地方の制度化と地域対立

第一章 清末における城鎮郷自治と自治区設定問題
『城鎮郷地方自治章程』に見る城区と郷区/城区の設定をめぐる城郷対立/郷区の設定問題と地域意識

第二章 清末民初の政争における地域対立の構図
夫束慣行の構造とその受益者/清末、地方エリートの「地域戦略」と城郷対立/民初、県議事会運営・民政長選挙をめぐる紛争/政党組織と地方エリート

第三章 一在地有力者から見る清末民初の官民対立
上海県農村部の有力者層と地方自治/清末地方自治の諸問題と秦錫田の改革案/民初の地方行財政と秦錫田の活動

第Ⅱ部 郷土を記述するということ

第四章 地方志と郷土志に見る近代中国の郷土意識
『川沙県志』における地域の叙述法/郷鎮志に見る郷土の都市化・文明化と風俗/郷土志に見る文明化と郷土

第五章 近代中国の郷土教科書における愛郷と愛国
上海県農村部の在地指導層/在地指導層の郷土教育活動/『陳行郷土志』に見る在地指導層と地方財政/『陳行郷土志』の教育観と秩序意識

第六章 文学作品に見る清末民初の在地指導層の民俗観
上海県陳行郷の指導層と「歌謡」/在地指導層の知識の広がり/啓蒙と民俗

第Ⅲ部 新文化と市鎮社会

第七章 清末民国期における近代教育の導入と市鎮社会
清末民初の近代学校設立に見る市鎮と農村/一九二〇年代の平民教育と市鎮社会/私塾から考える清末民国期の農村教育

第八章 新文化と地域空間の変容
一九二〇年代、呉江の地方新聞と新南社/民治と紳治/「新文化」と市鎮社会の変容/平民教育に見られる民俗観

A5判 448頁 2013年2月発行 ISBN978-4-87636-352-0

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中国農村の細密画―ある村の記録 1936~82 【研文選書27】

費 孝通 著/小島晋治 他 訳

本書は主に、1936、57、80年の3回にわたって私が開弦弓村でおこなった現地調査による研究成果をまとめたものから成っている・・・1936年はまさに抗日戦争直前の年であり、1957年は農村における集団化が完了した直後の年にあたる。そして1980年は、「文化大革命」(1966~76)の時期になされたさまざまな誤りを是正した中国共産党第十一期三中全会(1978)において採用された新たな経済政策の成果が現れはじめた年である。中国が過去50年間に経験したような政治的激動と社会変容の時代において・・・私は開弦弓という一つの小宇宙に映し出された社会変容のさまざまな過程を直接目撃し、それを記録することができたのである。(本書「序文」より)

 

本書を日本の読者に広く紹介したいと思い立った理由は、断片的な情報や、余りに一般的な理論的分析だけでは容易に理解できない中国民衆、とりわけ農民の生ける姿、その生活の総体、彼らがとり結ぶ諸関係の網の目、その変化と不変化の位相が非常に具体的にとらえられていると考えたからである。もちろん大きな地域的多様性をもつ中国のことだから、この江南の一つの水郷の村の精細な描写、分析を以って、中国農村全体を代表させることはできない。・・・だが私たちはこの中から、中国農村の変化の方向、中国のトップ・リーダーたちのことばを借りて言えば、「中国的社会主義」下の農村の未来像の一端を垣間見ることができるように思われる。(本書「訳者解説」より)

4・6判 352頁 1985年12月発行 ISBN978-4-87636-060-4

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江南農村の工業化―“小城鎮”建設の記録 1983~84 【研文選書39】

費 孝通 著/大里 浩秋・並木 頼寿 訳

経済的にかなり発達した江蘇省の村々を、農業体制の改革を行なっていた時期に調査した農村経済の歴史的な記録。「小城鎮四記」と「江村五〇年」の邦訳。「中国農村の細密画」の姉妹篇。

解説(阪本楠彦)/費孝通小伝(大里浩秋)

 

・・・この『四記』は地域的には、江蘇省のほぼ是全域を含み、時間の点では、1983年から1984年の2年間にわたる。この地域は中国国内で経済的にかなり発達した地域であり、この時期はまた中国が農業体制の改革を行なっていた時期、すなわち生産請負責任制を行なって成功を収め、郷鎮企業が急速に発展していた時期にあたる。私のこの『四記』は、このような地域の、このような時期における農村経済の歴史的な記録であると言ってもよい。(本書「日本語版序文」より)

4・6判 268頁 1988年5月発行 ISBN4-87636-080-4

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