日本文学
沓掛良彦著
表現者としての一休―「恋法師一休」の艶詩・愛の詩を読む 目 次
一章 「表現者」・詩人としての一休
一 『狂雲集』という詩集(詩偈集)
二 破戒・逆行―仏者における女色・性愛の問題
二章 「酒肆婬坊」出入の詩
一 自戒者から破戒僧へ・「酒肆婬坊」来往宣言/
二 女色の詩/三 男色の詩
三章 一休の脱皮と飛躍―恋法師一休の誕生
一 恋法師一休の誕生
二 森女という女人・実在の人物か虚構の「神女」か?
三 実在説・瞽女(ごぜ)か、やんごとなき皇孫か?
四 邂逅・「老狂薄倖」の和尚美しき盲女を発見す
四章 自受法楽の愛の讃歌
一 鴛鴦の契り/二 性愛讃歌/三 回春のよろこび・森女讃歌
四 眠れる美女・いとしい女/五 森女いとしや・森女の春遊/
六 危機の時・死が迫っての誓い
五章 付 論
「美人」とは大燈国師のことか?―柳田聖山氏の所説にかんする素朴な疑問
四六判上製 253ページ 2023年3月刊 ISBN978-4-87636-478-7
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半谷芳文著
《第17回 立命館白川静記念東洋文字文化賞 優秀賞受賞》
勅撰三漢詩集の研究 目次抄
まえがき
序論―奈良末・平安初頭の漢詩文考察上の基盤・前提と三つの視角―
第一章 勅撰三漢詩集の編纂意義とその文芸観
第二章 勅撰三漢詩集の抒情的特質
第三章 本朝文章生試における
唐朝貢挙進士試の雑文(詩賦)の試験の受容と展開
第四章 平安朝七言排律詩盛行の淵源としての勅撰三漢詩集
第五章 奈良・平安初期の日本漢詩における押韻と韻書
結 論
注/あとがき/初出一覧/索 引
A5判上製函入 426ページ 2022年5月刊 ISBN978-4-87636-469-5
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加藤国安著
大原観山は江戸後期に見られるようないわゆる生粋の文人型詩人ではない。したがって詩解のみの方法論ではとりつくしまもない。……旧蔵書を調べていくと、国内政治の文書も外寇文書も当然ながらたくさん出てくる。これらの資料と彼の詩作とはどう繋がっているのか。その内容は幕政や藩政と陰に陽に絡みながら生々しく推移しているわけだが、……幕末の藩儒の旧蔵書がこれだけまとまって発見されるのは稀有なことであり、何とかしてこれらを活用して治政の内部に属した人間の理想や葛藤などを浮き彫りにできればと努めた次第である。(本書「あとがき」より)
大原観山詩集ー子規の外祖父・藩校生の日々 目次抄
口絵 大原観山肖像画
注解編
考察編
附録
補論
あとがき
A5判上製 421ページ 2020年3月刊 ISBN978-4-87636-453-4
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堀 誠著
第一部 日中狐変妖婦譚考
狐変妲己考―故事の源流/狐変妲己考補―狐魅妖感の位相から/『三国悪狐伝』と玉藻前説話の変容/城狐と日中狐譚の種々相―都市と城社の文学空間をめぐって
第二部 菅原道真詩篇考
道真竟宴詠懐人士考/道真断腸詩篇考/道真「九月十日」詩篇考/道真離家落涙烏雁考
第三部 源平人物故事考
項羽と義仲―英傑の境涯/劉邦と頼朝―『源平盛衰記』椙山臥木救難考/日中幼帝入水考―亡家亡国の挽歌として
第四部 日中秋扇詠歌考
秋扇詩語源流考/秋扇詩歌詠吟考
第五部 日本『西遊記』受容考
『西遊記』受容史の一齣/『西遊記』受容史の側面/「河童の沙悟浄」の源流
第六部 中島敦「山月記」論考
中島敦における「記」と「伝」―「山月記」にむけて/月への咆哮―「人虎伝」から「山月記」へ/「人虎伝」から「山月記」のテキスト空間を再考する―志怪・伝奇と日本近代の位相
第七部 魯迅「故郷」論考
魯迅「故郷」点描/魯迅「故郷」ノート(Ⅰ)―訳語と読解の検証/魯迅「故郷」ノート(Ⅱ)―「高牆」と「厚障壁」の訳語
あとがき/索引
A5判 500頁 2015年9月発行 ISBN978-4-87636-398-8
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加藤 国安 著
正岡子規は俳句論の中でくり返し漢詩の重要性を説いている。子規所蔵の漢籍資料と『漢詩稿』を中心に据え、子規漢詩を味読しつつ、出典調査をし、さらに子規漢詩と俳句・短歌の相互の繋がりについて考究する。平成27年度加藤郁乎記念賞受賞
これまで子規の漢詩への関心はきわめて低かった。近代文学の旗手として、伝統色のきわめて強い漢詩はふさわしくないという前提があったように思う。むしろ西洋文学のスペンサーや西洋画のフォンタネージの影響の方が、実際以上に評価されてきたのではなかったか。それは時代の流れとして正しい面はあるけれども、しかし、子規の多くの俳句論を熟読すると、これらの西洋文化よりもずっとくり返し漢詩の重要性を説いているのである。俳句と漢詩とを一つのものとして説くことの何と多いことか。一部の識者は当然この事実を知っていたはずだけれども、これまで子規所蔵の漢籍資料及び『漢詩稿』が、子規研究の中軸に据えられることはほとんどなかった。実際、巻末の「資料編」の分量を見れば、・・・小島憲之先生の慨嘆が物語るように、ことはそう簡単な話でもない。拙著では、子規漢詩の出典調査に加えて、子規漢詩と俳句・短歌の相互の繫がりについても併せて示し、これを「合璧」として「詩解・蔵書写本調査編」にまとめて記すこととした。(本書「はじめに」より)
A5判 624頁 2014年1月発行 ISBN978-4-87636-372-8
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加藤 国安 著
漢詩こそが子規のすべての始まりだった!若き日の漢学への傾倒から俳句革新への道が拓かれたことを、子規の漢詩をじっくり読み解きつつ実証する画期的論考。
子規の外祖父・藩儒大原観山
「子規」の号が背負うもの
観山の詩業を学ばん―子規自筆「観山遺稿」
頼山陽に学び、、凌駕せん―所蔵漢籍<山陽詩集>
俳句の季題分類の契機―自筆漢詩選「歳晩類集」から
漢詩創作の座から俳句の運座へ
漢詩とは何か―所蔵漢籍『冷斎詩話』
漢詩と俳句・短歌の同一主題のコラボレーション
漢詩の筆写―忘れられた重要写本「随録詩集」
閑話休題 架空トーク―松山の愚陀仏庵にて
子規漢詩の最高傑作「岐蘇雑詩」三十首―俳句革新と同時期に
改革者子規のパワー―李白の豪放飄逸
子規の写生開眼、及び漢詩と俳句のコラボレーション
大連・金州へ、そして帰国ー重かった中国体験
「俳句と漢詩と二致あるに非ず」論
晩年の子規と漢詩―漢籍の慰籍
4・6判 368頁 2006年10月発行 ISBN4-87636-263-7
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高木 重俊 著
幕吏としての身分を離れることなく詩作した岡本花亭の生涯・交友をたどり、その漢詩から看取できる個性的表現や独自の感性を俯瞰する。
<目次>
第一章 |
岡本花亭の生涯と詩業 岡本花亭の生涯の概説/花亭詩の諸相 |
第二章 |
岡本花亭と『亨余一臠』―泊翁との文学交流 『亨余一臠』の写本/花亭と泊翁との唱和をめぐって/芳津館筆談抄録 |
第三章 |
花亭・詩仏と練塀小路 唱酬の発端―江山詩屋の詩会/両人の唱酬の立ち上がり―「斉物」の思いと世俗への絶縁/老詩人が詠じる中国の話題/練塀小路の二人の住まいと交友 |
第四章 |
岡本花亭と『信山唫稿』―文人代官の文学世界 代官就任と初めての仕事/信州中野の任地視察/民の訴訟と繋獄への思い/民を導く父母の官たるつとめ/「諭狼詩」をめぐって/江戸への帰途と帰着の後 |
4・6判 240頁 2011年10月発行 ISBN978-4-87636-330-8
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入谷 仙介 著
唐詩の専門家が明治漢詩について論ずる。森春濤・森槐南・国分青崖・中野逍遥・山根立庵・横山耐雪・夏目漱石・森鴎外・河上肇・永井禾原と荷風らの漢詩を鑑賞しつつ、彼らの文学と漢詩の関係を考察。
〈目次〉
春と憂愁 森春濤
表現者の極北 森槐南
「国民詩人」の栄光と没落 国分青崖
漢詩と小説の間 中野逍遥
異邦人として 山根立庵
まぼろしの廬山 横山耐雪
近代精神と漢詩 鴎外・漱石・河上肇
明治の「父と子」 永井禾原・永井荷風
詩人 入谷仙介(一海知義)
校訂者僅啓(道坂昭廣)
4・6判 250頁 2006年10月新版発行 ISBN4-87636-085-5
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西槇 偉著
近現代中国の代表的な知識人のひとり豊子愷の文学を、夏目漱石やラフカディオ・ハーンとのかかわりから読み解く。豊子愷の漱石やハーンからの影響を明らかにし、そこから漱石やハーンの小品文学の特色を浮かび上がらせる。
〈目次〉
Ⅰ 豊子愷の初期作品と夏目漱石
門前の彷徨―「法味」と「初秋の一日」および『門』/幼児体験の光と影―「憶児時(幼児の思い出)」と『硝子戸の中』/心の隔たり―「華瞻的日記(華瞻の日記)」と「柿」/異文化の対話―「縁」と「ケーベル先生」
Ⅱ 円熟期の豊子愷文学と夏目漱石
桃源の理髪店―豊子ガイと『草枕』/異国の師の面影―「林先生」と「クレイグ先生」、「藤野先生」/「自然」の美学―「帯点笑容(ちょっと笑ってください)」と『硝子戸の中』/「時」の力にあらがう「文学」―『縁縁堂続筆』と『硝子戸の中』
Ⅲ 豊子愷とラフカディオ・ハーン
響きあうテキスト―「蝌蚪(オタマジャクシ)」と「文鳥」、「草ひばり」/自己神話的文学の背景―「蜜蜂」と「蠅の話」/アリへの賛歌―「清晨(早朝)」と「蟻」
豊子愷小伝
豊子愷略年表
4・6判 376頁 2011年6月発行 ISBN978-4-87636-320-9
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大庭 脩著
いつ、どのような種類の漢籍が、どれ程の量運ばれてきたのか等の具体的な事実を考究し、種々のエピソードもまじえつつ書下ろされたユニークな文化史。書物を通して、特に江戸の文化に著者の識見が示される。
〈目次〉
長崎のクリスマス・イヴ
聖徳太子と正倉院―古来の伝来典籍
平安時代の読書人
僧侶と漢籍
尾張の「御本」と紅葉山文庫の創始
出船・入船 唐船の姿と積荷の傾向/唐船の積荷が一般の目にふれる迄
御書物師、唐本屋清兵衛
将軍家と御儒者衆―吉宗と荻生北渓 享保前半/享保後半
コレクター大名 前田綱紀/毛利高標/市橋長昭
大学頭と長崎奉行
開国と輸入書
4・6判 350頁 1997年1月発行 ISBN4-87636-143-6
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平山 城児 著
康成作「歌劇学校」のゴースト・ライターが著書の母であるという考証をはじめ、川端と舞踊について、「山の音」論など、父母の代から始まった川端家との交流を通して考察した川端論。
1 非凡閣版『現代語訳国文学全集』の事情
2 雑誌『大和』と荷風の「枇杷の花」
3 佐藤碧子「瀧の音」と川端康成『全集』補巻二
4 川端康成作「歌劇学校」と母の関連
5 川端康成が"舞踊”に抱いていた執念
6 「歌劇学校」に関する先行論文をめぐって
7 川端康成作「椿」と葦原邦子の「忘れじの歌」
8 アルバイトで出逢った人々
9 ひとつの「山の音」論
10 第二九回国際ペンクラブ大会の楽屋裏
11 「細雪」と「山の音」
12 川端康成と上森子鐵
あとがき
索引
4・6判 378頁 2003年6月発行 ISBN978-4-87636-218-9
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