加地伸行著作集 全三巻完結
加地伸行著作集Ⅰ
〈中国論理学とは何か〉を根源的解釈した独創的研究。『公孫龍子』研究を軸に、全時代を貫流する経学の哲学的意味を考究する。品切れ久しかった名著の増補改訂版。(第2回配本)
第一部 中国における論理学
中国古代論理学史研究の状況
日本における場合/胡適の『先秦名学史』/郭湛波『先秦辯学史』/王奠基の『中国邏輯思想史料分析』・『中国邏輯思想史』
漢語の特性
実字と虚字/『馬氏文通』の実字に寄せて
名と物と實と
名・物・実の意味とその関係と/名実論の登場/漢字の物像性/名実論の記号論的意味
第二部 『公孫龍子』解釈
文献問題/名実論/指物論/白馬論/堅白論/通変論
第三部 『公孫龍子』の哲学的位置
名実論争における公孫龍
胡適説をめぐって/〈実〉優先派/〈名〉優先派/名実論争
公孫龍後学
『公孫龍子』跡府の成立/公孫龍の「白馬非馬」論と公孫龍後学の「白馬非馬」論と/出関説話・辯士の詭辯
名学の哲学的意味
附論 『韓非子』における〈矛盾〉説話/『老子』の〈道〉/類書における分類の基本的意味
A5判函入 484頁 2012年9月発行 ISBN978-4-87636-345-2
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加地伸行著作集Ⅱ
中国哲学の専門家による日本における中国思想の受容と展開の独自性を追求した論集。(第3回配本)
第一部 日本古代における中国思想受容
第一章 中国思想の先駆的受容
前方後円墳に投影された経学的意味/邪馬「臺」国/「臺」字の解釈/『太平御覧』所引『魏志倭人伝』について
第二章 中国思想の内面化
空海と中国思想と―『指歸』両序をめぐって/空海の言語論における日本的性格/大真言から小真言へ―『文鏡秘府論』の構成/『竹取物語』と道教と
第二部 儒教の本質的理解―中江籐樹の孝
第一章 『孝経啓蒙』の成立
『孝経』について/日本における『孝経』/『孝経大全』/明人朱鴻『孝経輯録』/『孝経啓蒙』の成立/『孝経』をめぐる籐樹と羅山と
第二章 『孝経啓蒙』諸本の系統とその展開と
諸本の解題/籐樹の孝における孤剣楼本『孝経啓蒙』の意義/天理図書館所蔵本『孝経啓蒙』について/『孝経啓蒙』の文献的特徴と諸本の関係と/真祐本『孝経啓蒙』と安井真祐と
第三章 中江籐樹の孝
藤樹の孝についての川島武宜説批判/川島武宜説批判の補論/籐樹の孝についての守本順一郎説批判/日本陽明学の孝
第三部 中国学の総合的理解
第一章 中井竹山・中井履軒と懐徳堂と
漢詩文/字音/経学/史学/懐徳堂文庫所蔵漢籍研究の予備調査
第二章 皆川淇園と大田錦城と
皆川淇園の『論語繹解』/大田錦城の『論語大疏』・『仁説三書』
第四部 儒教に対する誤解
教育勅語とは何か/丸山真男について
鶏肋二束・上
前方後円墳に投影された中国思想/飛鳥の削られた木簡/井真成は朋友を悼む日本人か/『万葉集』の「耆矣奴」考/『伊勢物語』「井筒の歌」正解/亀井南冥の『論語語由』/網野善彦氏の「百姓」について/天理教の「九億九万九千九百九十九人」/懐徳堂から適塾へ
鶏肋二束・下(講演)
泊園書院と懐徳堂―大阪の学問/天理教の「おふでさき」/教育勅語の中の儒教
資料一 『孝経啓蒙』孤剣楼本影印
資料二 孤剣楼本『孝経啓蒙』の前附・『孝経』本文の活字版
A5判箱入 644頁 2015年10月発行 ISBN978-4-87636-402-2
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加地伸行著作集Ⅲ
中国の孝思想について論究することはもとより、学問の本質、研究とは何かを自身の研究史を跡づけることにより説くユニークな研究書。若い研究者必読の書。
(第1回配本)
前篇 孝の思想的研究―学びてはおもわざれば則ち罔し
序章 学問・研究とは何か―私の出発点
第一部 孝研究の前半過程
昭和三十年代の中国哲学史研究状況と孝研究の展開と/孔子における愛と死と〈孝〉と―中国における宗教思想の一前提/曾子と『曾子』学派と/孝研究の蹉跌―後半過程へ
第二部 孝研究の大前提―〈宗教の定義〉
中江藤樹『孝経啓蒙』を通じて/「宗教」の多様な定義/宗教と道徳とを切断する愚/ベルグソンの〈宗教と道徳との二源泉〉/儒教非宗教説への批判/假説としての定義/本書の〈宗教の定義〉
第三部 孝研究の後半過程
「孝」字について/原儒の登場/孝と家族と
第四部 孝の構造
孝の哲学的自覚/孝の構造的理解への試み/孝と祖先祭祀と/祖先祭祀の普遍性/祖先祭祀における「祭如在」
第五部 儒教の宗教性
中国における宗教の出現/中国における宗教の確立/中国における〈絶対〉/孝の宗教性と禮教性と
後篇 孝の思想的研究―思ひて学ばざれば則ち殆ふし
第一部 『孝経』の研究
『孝経』の漢代における思想史的位置―宗教性から禮教性へ/〈『孝経』の作者〉の意味/『孝経』関係緯書をめぐる若干の問題/『孝経刊誤』考
第二部 孝研究の延長
儒教における子ども観/「太子公自序」の成立―『孝経』の引詩引書を越えて
附篇 『史記』研究一束
司馬遷の李陵事件について/司馬遷の伝記に関する若干の問題/『史記』の「書」について
A5判函入 492頁 2010年10月発行 ISBN978-4-87636-315-5
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加地伸行先生の著書
加地伸行著
中国学の通り道
若者のことばの明日/『大学』の中の小学/訓読という教養の復権/白川静『字通』―壮大な漢文の世界
中国学―老いの細道
『恍惚の人』と『厭がらせの年齢』/論語の老人論/『論語』を訳して/自著を語る/沈黙の宗教―高野山での体験から
中国学の寄り道
必ず原典を見る/『詩経』からの引用/三つの孔子像/「墨子はインド人である」論争/『史記』一書 功は十表に在り/王陽明の改名
中国学の曲り道
諸葛孔明の人間観/忠臣蔵・山鹿素行・『孫子』/『孫子』の情報戦略
中国学の畦道
儒教と老荘と/老子と実像/『韓非子』―悪の論理
中国学の離れ道
春服/『論語』における食/歯と中国文化と/『周礼』における古代中国の医術者像/儒教とスポーツと/中国の風
中国学―易への近道
急行に乗ろう、急行に
中国学の横道―詩才なき者の独語
漢詩指導についての覚書/或る感動/詩作の横道
中国学の野道
中国学の過去・現在・未来
46判 318頁 2015年10月発行 ISBN978-4-87636-401-5
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